コラム

耳が聞こえない。ということ コラムbyとも

2017/06/15

はじめに

映画『エール!』を観て、聴覚障がいについて書いているうちに、文章が長くなったので、コラムとして書くことにしました。

ゲームの話でも、映画の話でもないので、そちらを楽しみにしていた方はごめんなさい。
でも、大事な話だと思うし、理解してもらいたいとの想いから、ぜひとも最後まで読んでいただきたいです。

なお、映画『エール!』のレビューは明日、お届けします。
→ 映画「エール!」 レビューbyとも

 

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耳が聞こえないということ

原因

聴覚障がいになった原因は様々です。
生まれつき聞こえない人、病気で聞こえなくなった人、薬の副作用や外傷によるもの、様々です。

 

コミュニケーション方法

聴覚障がいの方はどうやってコミュニケーションをとるのか。
まず、思い浮かぶのが「
手話」ではないでしょうか。
「手話」とは、手や指などを使って、単語を紡ぐコミュニケーション方法。
テレビで1度は見た事があると思います。

また、人の口元を見て、何を話しているのかを読み取る「読話」という方法もあります。
文字を書いてコミュニケーションをとる、「筆談」という方法もあります。

 

補聴器

聴覚障がいの方はまったく聞こえないのかというとそうではなく、補聴器を付ければ聞こえる方もいます。
映画『エール!』では、3人とも補聴器を付けていなかったので、補聴器を付けても聞こえないと推測します。 

私は目がとても悪く、両目とも0.05くらいしかありません。
メガネなしでは、とても生きていけません。
それと同じく、「補聴器を付けているから聞こえる」と考えてよろしいかと思います。

 

聴覚障がいの友人

親しくさせてもらっている友人に聴覚障がいの方がいます。
小さい頃に、聴覚を失った方で、完全に耳が聞こえていた頃もあったそうですが、あまりにも幼い頃なので、その記憶はないそうです。
しかし、治療や訓練を続け、補聴器を付ければ聞こえるし、 読話 でも伝わります。
発音が悪くて聞き取れない時や、難しい言葉の時は、 筆談 をすれば伝わります。

 

その友人の家のテレビは、いつも字幕を付けています。
デジタル放送になってよかったのは、字幕でテレビが見られるということ。
それまでは、テロップや口元で判断しなくてはいけなかったので、大変だったと思います。

その友人は好きなアーティストのライブにも行きます。
音は聞こえなくとも、伝わる振動で楽しむのだそうです。

 

手話は必須?

「耳が聞こえない人と会話する場合は、手話でないといけない」と、勘違いをしている人もいると思いますが、私は手話はほとんどできません。
できるのは、赤、青、白の3色と、1~99までの数字の手話のみ。
しかし、実践したことは1度も無い。

その友人と話すときは、口元を大きくしたり、少し大きめで話すように心掛けるだけで、普通に会話ができる。
(さ行、た行など、聞こえにくいのはあるが、わからなかったら聞き返すようにしている)

そう。耳が聞こえないというだけで、普通の人間であり、個性のある人間。
ちょっとした工夫で、接することができます。

もちろん、手話が第一言語の方もいます。
けれど、紙に伝えたいことを書く「筆談」の方法で会話ができます。

 

手話言語条例について

よく、「手話言語条例」を可決した自治体の話を聞きます。
「手話言語条例」とは、簡単に言うと、手話を学ぶための教育環境の整備をしたり、聴覚障がい者が会話しやすいように、健常者が手話を覚えていきましょうという条例。
教育環境整備はいいとして、問題は「健常者が手話を覚えましょう」という所。
市役所や役場の職員が率先して、手話の研修会を行っているようですが、私にしてみれば、「それが壁を作っている」です。

手話の魅力を知り、自ら積極的に手話を覚えるならいいんです。
でも強制的に手話を覚えなさいと言われたら、うんざりしませんか?
たとえそれが仕事であっても。

手話ができなくてもコミュニケーションはとれる。
でも手話がないとコミュニケーションがとれないような誤解を与えている気がしますし、隔たりを作っている気がするんです。

手話という言語があるという認識を持ってもらう。
それだけで、だいぶ違うと思うのですが・・・。

 

障がい者への優しい世界の作り方

もし耳が聞こえなかったら、を想像してみてください。

「できました」と知らせるはずのレンジの音や、炊飯器、洗濯機の音は聞こえない。(※)
「危険」と知らせるはずの車のクラクションや、サイレンの音は聞こえない。

聴覚だけでなく、視覚障がい者や、身体障がい者もそうなのですが、想像するだけで、なにが必要で、なにが不要なのかが見えてきます。
また実際に行動すること、体験することも大事だと思います。

例えば、車イスを使用する人用に、トイレを作った。
でも、実際に車イスで使用するとなると、幅が狭くて使えない、というのはよく聞く話。
既成事実だけで済ませようとせず、本当に必要な事や物を考えてみてはいかがでしょうか。

※屋内信号装置というものがあり、それを設置または身に付けることで、ランプや振動で「音」を教えてくれるものがある。

 

聴覚障がいの友人へのインタビュー

健常者に望むこと

この記事を作成するにあたり、聴覚障がいの友人に聞いてみました。
「健常者に望むことはなんですか?」と。

  1. 口を大きくして、話すこと
    口をあまり動かさず、開かない状態で話されると、 読話 ができないそうで、補聴器と読話に頼っている友人にとって、大変困るそうです。
    この「口の開き」は、出身地で差があるらしいです。
  2. 尋ねること
    コミュニケーション方法は、 筆談 がいいのか、手話がいいのか、声を大きくしたりなどして話すのがいいのか、相手の聴覚障がいの方に尋ねること。
    人によって希望は様々です。
    決めつけず、尋ねてみましょう。

この2点のみでした。

 

困っていることなど

では、上記以外で支障があることはないのかを聞いてみました。[2番3番、5月13日追記]

  1. 会議に参加できない
    意見が飛び交う会議は、 読話 ができない為、参加が難しい。
    筆談サポートという自治体が行っているサポート体制はあるが、事前申し込みが必要。
    なにより、そのサポートをしてもらう方に申し訳なく思ってしまい、会議には参加できないでいる。
  2. 後ろから声をかけられると分からない / 動きのない、小さな声の挨拶が分からない
    相手は無視されたと思ってしまうそうです。
    外見では、聴覚障がい者だとわからないので、まさか、話しかけた相手が聴覚障がい者だとは思わない。
  3. どうしても言語障害がある
    言語は、聞くことで発音が可能になります。

    なので、どうしても言語障害があります。
    そして、話すと、発達障害があると誤解されてしまうそうです。
    聴覚障害と発達障害の区別はなかなか、つきにくいそうです。

では、「手話言語条例」が制定されたら、してほしいことがあるのか聞いてみました。

  1. 聴覚障がい者同士の交流がしてみたい

とのことでした。

 

まとめ

その友人とは10年以上も付き合いがありますが、聴覚障がいについて、真剣に話したことがなかったので、新たな発見になりました。
手話にも種類があったり、たった30~40年前に手話が禁止されていた時代があったり、Eテレの『手話ニュース』を見てもわからない単語(手話)もあったりするそうです。

また、「手話は大人になってから習った」とか、意外な話も聞けました。

友よ、ありがとう!!

最後に

言いたいことだけ言って、偉そうに書いたかもしれない。
わかったフリして、わかっていないのかもしれない。
確かに勉強不足ではある。
具体的に行動したこともない。
けれど、この記事を書くことで、少しでも偏見や誤解がなくなればいいなと思うし、考えるきっかけになればいいと思います。

なお、この記事は、公開前にその友人に見せ、了解を得ていることをお知らせします。
また、「障害」の「害」の字問題。
当の友人曰く「騒ぎすぎな気がする。自分は気にしない」と言うことでした。
私も友人と同意見ですが、最近の世の中の傾向から「障害」ではなく「障がい」と記しました。

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