評価:4
今日のレビューは、アライグマ探偵が主人公のアドベンチャー『Backbone(バックボーン)』です。
- 退廃的な大都市
- くたびれた私立探偵
- 謎めいた美女
といった、いわゆる「ノワール調」を意識した作品で、ドットとエフェクトを駆使したグラフィックで描かれます。
「Backbone」は、「背骨」や「気骨」、「思想の根幹」といった意味があります。
意味を知っていると、今作に対する捉え方が変化するかもしれません。
主な良かった点
- ハイセンスなグラフィック表現
- 社会を風刺した物語
主な不満点
- パズル要素が少ない
- チャプター選択ができない
プレイしたのはSwitch版です。
ネタバレはありません。
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目次
概要
画像はクリックすると拡大します。
ゲーム内容
『Backbone』の世界は、人型になった動物たちが文明を築いた世界です。
見た目以外は人間と差は少ないですが、種族による格差や動物ならではの悩みもあるようです。
主人公は、私立探偵のハワード・ローター。
アライグマです。
ある日、カワウソの婦人から「夫の浮気調査」の依頼を受けたハワード。
簡単な依頼かと思いきや・・・。
選択肢
ほとんどの会話で、複数の選択肢が登場します。
選んだ選択肢によって会話の展開に差異は生じますが、基本的にルートは分岐せず物語は大きく変わらないようです。
ゲームオーバーや取り返しのつかない要素もないので、自由に思うがままに話を進めましょう。
パズル要素
数は多くありませんが、パズルや推理する要素があります。
操作方法がちょっと特殊なので、直前に出る説明文は見逃さないようにしましょう。
「アイテムの回転」とありますが、実際は「アイテムの移動」です。
言語設定
ゲーム中はいつでも「主要言語」と「第二言語」の切り替えができます。
ただし、ゲーム内の説明では「ZLボタンで切り替え」とありますが、実際には「Lボタン」です。
ちょっと暴発もしやすいので、わずらわしいようなら言語切り替えを「無効」にしましょう。
操作方法
良い点
ハイセンスなグラフィック表現
今作は全編ドット絵。
加えて光や水は特殊なエフェクトを使って表現しています。
精細なピクセルドットもすごいし、雨が画面に当たってにじむのもスゴい。(みなと)#Backbone #NintendoSwitch pic.twitter.com/6p8BmDgq8s
— ゲーマー夫婦 みなとも (@gamelovebirds) February 18, 2022
グラフィック面は全面的に、文句のつけようがありません。
翻訳が良い
日本語訳はかなり頑張っていると思います。
言葉遊びのような特殊な言葉も、ちゃんと日本語として通じるように訳してあって感心しました。
中には専門的なセリフも哲学的なセリフも出てきますが、ちゃんと通じます。
社会を風刺した物語
動物の世界が舞台の作品ですが、その社会体制や抱えている問題、種族が抱える闇など。
「人間の現代社会を風刺している」と感じる場面が多くありました。
「動物が主人公」と聞くとカワイイ印象ですが、実際は骨太でハードボイルドです。
考えさせる部分も多く、クリアした感想としては「心をえぐられて、グルグル考えが巡る」といった感じです。
不満点
パズル要素が少ない
パズルや推理が必要なシーンはほんの一部だけで、あとはほぼ移動と会話だけで話が進みます。
探偵を主人公としたアドベンチャーとしては、少し物足りなく感じました。
チャプター選択ができない
おそらく「それまでの行動によって展開に差が出る」という仕様だからだとは思いますが、クリア済みのチャプターから始めなおすといったことができません。
セーブデータをわけることもできないので、「はじめから」にするとそれまでの進行状況はリセットされます。
気になった点
「明確な答え」を求める人には不向き
ノワール調のサスペンス作品で、謎が謎を呼ぶストーリー。
ですが、最終的にすべての疑問に答えが示されるかと言ったら、そういうわけでもありません。
次第に正統のサスペンス展開よりSF寄りになっていく点も、賛否がわかれそうです。
「明確な答え」が示される作品ではなく、この作品を通してプレーヤーの心に爪痕を残し、物の見方に変化をもたらすかもしれない作品。
といったところでしょうか。
というところもありますが、特にエンディングが複数用意されているようではなさそうです。
個人的には、別のエンドも見てみたかったです。
プレイ状況
ソフトウェア | ダウンロードソフト |
プレイ時間 | 約5時間 |
『Backbone(バックボーン)』の総合評価・レビュー
想像もつかないような急速展開を見せ、クリア後は呆然としてしまいました。
希望も絶望も入り混じり、その後の世界を想像せずにはいられません。
プレーヤーの心にザックリと爪痕を残す作品でした。
レビュー
総合評価 | |
シナリオ | |
操作性 | |
システム | |
キャラクター | |
ビジュアル | |
音楽 |
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