評価:5
今日のレビューは、「メグとばけもの」です。
『くまのレストラン』などの人気作を手掛けるOdencatによる新作で、Odencatとしては初めて「家庭用ゲーム機むけ(PC含む)」に開発された作品です。
主な良かった点
- 感動的なストーリー
- 魅力的なキャラクターたち
- 耳に残る音楽
主な不満点
- システム設定に関して
プレイしたのはSwitch版です。
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目次
概要
ゲーム内容
魔界に住む魔物の「ロイ」と「ゴラン」は、ある日地上から落ちてきた少女「メグ」と出会います。
少女が泣くと、ある異変が・・・。
ロイは仕方なく、メグを泣かせないように、彼女をどうするのか考えなくてはなりません。
しかし魔界には、人間を狙う魔物は多いようです。
バトルシステム
今作はストーリーメインのアドベンチャーゲームですが、RPG的なコマンドバトル要素があります。
ロイは非常に強い魔物ですが、メグをかばいながら戦う必要があります。
メグはダメージを負いませんが、ロイが攻撃されると心が傷つき、その精神力がゼロになるとゲームオーバーになります。
メグの精神力を回復させるには、おもちゃを使って遊ぶ必要があります。
1回の戦闘中に同じおもちゃを使うことはできませんが、おもちゃはストーリー進行で増えます。
注目!
バトルに勝利することによる成長要素はありますが、今作のバトルはすべて「イベントバトル」です。
「ザコ敵を倒してレベル上げ」といったことはできません。
操作方法
「左スティック」または「十字キー」 | 移動 |
「Aボタン」 | 決定 |
「Bボタン」 | キャンセル |
「-ボタン」 | ゲームの終了 |
ワールドマップで「Xボタン」 | メニュー (ステータス確認) |
今作はタッチ操作に対応しています。
自動セーブで、バトルに負けても直前から再開します。
エンディング後はワールドマップで出せる「メニュー」で、チャプター選択ができます。
良い点
感動的なストーリー
ネタバレになるので詳しくは言えませんが、「少女と魔物」というギャップが生み出す物語として、これ以上ないくらい感動的なストーリーでした。
メグより泣いたかも。
構成もうまく、意外性もあり、伏線回収もしっかりと。
「そういうのが好き」な人は、是が非でもプレイしてほしい作品です。
丁寧なドット絵
全体的に、丁寧なドット絵で表現されていました。
ロケーションによる違いや、キャラクターの動きの細かさも、しっかり描き切っていました。
魅力的なキャラクターたち
ロイやメグだけではなく、絡んでくる魔物やお店の主まで、キャラクター1人1人が個性的で、印象に残りました。
「同じようなキャラがいない」というのも大きいです。
会話の際に「そのキャラが発しているような声の音」が鳴るのもステキ要素でした。
暗い場所で、雰囲気出てますね。
耳に残る音楽
ジャズをベースにした楽曲は、イベント曲もバトル曲も、非常に印象に残るものでした。
今作の音楽は、美しいメロディをピアノやストリングスが担い、リズムをガラクタが担うという、おもしろいコンセプトで作曲されています。
こちらは今作の楽曲やコンセプトを紹介する公式サイトです。
一度のぞいてみてください。(音声をONにして)
不満点
システム設定に関して
今作で設定できるのは「言語」「BGM音量」「SE音量」のみです。
ゲーム中で変更はできず、タイトル画面に戻る必要があります。
欲を言うと、「タッチ操作のOFF」や「バックログ」の機能があると良かったです。
タッチでも会話が進行してしまうので、誤操作で会話を見逃すことがありました。
気になった点
「バトル」と「ストーリー」の関係性
今作のバトルはすべて「イベントバトル」です。
ひらたく言えば「ボス戦」しかありません。
寄り道やザコ戦などでの成長要素はありませんので、常に決まった強さで戦うことになります。
その場その場のバトル自体はバランスが取れていて、適切な行動を取らないとゲームオーバーになることもあります。
ですが、何度か挑戦すれば必ずクリアできます。
「必ずクリアできるなら、むしろバトルが要らないのでは?」
という意見も出そうですが、今作はバトル要素もストーリー的に欠かせないのです。
ストーリー重視ですが、バトルも大事なエッセンス。
そんな作品です。
プレイ状況
ソフトウェア | ダウンロードソフト |
プレイ時間 | ??? |
所持しているサウンドトラック | オリジナルサウンドトラック |
『メグとばけもの』の総合評価・レビュー
コンパクトかつ、しっかり満足度の高い、上質な作品でした。
PVを観た時点で「こりゃ泣くな」と思っていましたが、
期待していた以上の感動を得られ、Odencatとしては『くまのレストラン』を超える代表作になったのではと思います。
プレイ時間はあえて伏せています。
ですが、あまり長い作品ではありませんので値段と釣り合うかは、人によるところかもしれません。
ちなみに、カワイイ絵柄ですが対象年齢は「12歳以上」です。
レビュー
総合評価 | |
シナリオ | |
操作性 | |
システム | |
キャラクター | |
ビジュアル | |
音楽 |
妻からもちょっと言わせてもらいます
唯一無二のストーリーで、笑わせられたり、驚かされたり、泣かされたりで感情のジェットコースターでした。
人間社会が持つ「闇」も見えて、心が苦しくなることもありました。
しかし、たくさんのキャラクターたちがみせる愛情や友情に救われました。
不満点を挙げるとしたら、記憶の思い出しの効果音として使われた「ピヨーーン」という高音がとても気になりました。
大事な場面で綺麗なピアノの旋律の中、その音だけがマヌケで、感動を遮ってくるのです。
場面にマッチした効果音の方が良かったです。
しかしながら、ゲームにストーリーを求める方なら、ぜひともプレイしてほしいと思います。
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くまのレストラン 感想・レビュー byとも / 死生観を揺さぶられる、ストーリーメインのアドベンチャー
ゲーム的な要素は少ないですが、ドット絵ならではのグラフィックや世界観が素晴らしい。ほろりと泣けるストーリーをご堪能ください。