評価:2
今回のレビューは、『The Unfinished Swan』。
真っ白な世界にペイントボールを投げ、色をつけて道をみつけ、進行していく。
一人称視点の、アクションアドベンチャーゲームです。
VITA、PS3、PS4版で配信されていて、今回プレイしたのは、VITA版です。
機種による大きな違いはないと思いますが、VITA版はタッチ操作に対応しています。
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目次
概要
ゲーム内容
主人公・モンローは、母が残した未完の絵の1つ「白鳥」が導く不思議な世界に迷い込みます。
「Unfinished Swan」は、「未完成の白鳥」ってことですね。
作中ではこの白鳥が随所に登場し、その足跡や姿を追うことで物語を進めていきます。
色をつける
ゲームが開始され、まずは何もない真っ白な空間。
上の画像では白鳥の足跡が見えていますが、こういった色がついているものは極端に少なく、本当に真っ白です。
最初のチャプターでは、黒いインクを投げつけ、この空間に色をつけていきます。
ひたすら塗ると、こんな感じ。
ちょうど、コンビニのレジにあるカラーボールみたいなものを投げつけて、色を塗ります。
林やベンチの形がわかりますね。
こうして道に色をつけて進んでいきます。
つる草をのばす
次のステージでは、インクではなく水の玉をなげつけます。
このステージではつる草に水を与え、成長させて伸ばすことで道が拓きます。
つる草は、ハシゴのように登ることができます。
明るいところへ
次のステージでは、様子が大きく変わります。
投げるインクは黒ですが、ステージ全体が暗く、視界は悪いです。
ある程度進むと、暗い場所に得体のしれない生き物が潜み、攻撃をして来ます。
一定回数攻撃を受けると、チェックポイントまで戻されてしまいます。
明るい場所を選びながら、進行していきます。
設計図の箱
青い場所では、ボールを当てた場所に箱を出現させ、足場を作って進行していきます。
- まず、青い床や壁にボールを当てると①と表示されます。
- 次に、その面の別の場所を狙うと②と表示され、ボールを当てることで面積が確定します。
- すると、ボールを狙った位置によって箱の厚さが変わるので、ボールを当てて実体化させます。
うーん、文面では上手く説明できませんが、「ボールを3回当てて足場をつくる」という場所になります。
足場の作成を繰り返して、進行していきます。
風船
ステージ中にはいくつか風船が隠されています。
これにボールを当てると、風船を獲得。
この風船の獲得は トロフィー にも絡みますが、一定数集めることで特殊効果のある「おもちゃ」を獲得できます。
おもちゃの1つ、「風船レーダー」。
これを適用すると、隠された風船を見つけやすくなるので、優先して獲得したい。
隠された物語
道中では、色のついた文字が書かれているところがあります。
この文字にボールを当てると、隠された文章が現れます。
この不思議な世界の成り立ちなどが分かる物語が記されています。
ナレーションが丁寧に読みあげてくれます。
良い点
アーティスティックなコンセプト
真っ白な空間にインクをぶつけ、色づけていく。
色をつける前は本当に真っ白で、何も見えないけど、確かにそこに「ある」という状態です。
そこに色をつけ、物の形や道の形が見えてきて、どのような場所なのか分かってくる。
その工程が非常におもしろく、芸術的で素敵なコンセプトだと思いました。
まぁ、最初だけなのですが。
絵本のような物語と、教訓
今作の少年の境遇や、その心の成長。
物語に出てくる王様の経験した、失敗や苦難。
その構成や話運びは絵本的で、何か「考えさせる」お話になっています。
ある程度「読者に答えを託す作り」なので、「明確な答え」が欲しい方には不向きかもしれません。
不満点
色塗りが堪能できるのは最初だけ
真っ白空間は最初だけで、だんだん影や色がついた状態になります。
次のステージへ進むと、もう完全に色がついていて、最初とは別のコンセプトになってしまいます。
それ以降は目新しさがなくなりました。
形が見えない時は想像力を働かせて探索・発見できていたのに、それがなくなってしまい、もったいなかったです。
見えないことでグラフィックのチープさも、ごまかせていたのに・・・。
つる草や、夜にイライラ
つる草を成長させるために何度も何度も水をかけなくてはならないのが大変ですし、夜のステージは視界が非常に悪くて探索がツライ。
特に夜のステージは、風船の色も黒だったりして、意地悪な作り。
敵に攻撃されてしまう点も、イライラに拍車をかけます。
もっとゆっくり探索させてよ!
操作性が悪い
まず、カメラ。
上下は反転できますが、左右はできません。
「上下左右反転」のカメラに慣れているため、とても困りました。
一人称視点(FPSと同様の視点)なので、例えば足場ギリギリでジャンプしたい時など、そのタイミングをつかむのが非常に難しかったです。
移動速度も速くはありませんし、思い通りに動かせるようになるのは大変です。
プレイ状況
ソフトウェア | ダウンロードソフト |
プレイ時間 | 約15時間 |
トロフィー 状況 | 100% |
トロコン 難易度 | 一部非常に難しいトロフィーあり |
総評
斬新なコンセプトで感心する部分はあります。
ですが、そこは思っていたよりも短く、不満もそこそこ出てきてしまいました。
さまざまなアイデアを盛り込もうとしたのだとは思いますが、少し「プレゼンと違う」と思わざるを得ませんでした。
ただ、序盤の真っ白エリアは本当にワクワクしましたし、この方向性でもっと様々な場所を探索したかったです。
難関トロフィー「ミニマリスト」の取得のためには、この真っ白なエリアを色を塗らずに進む必要があります。
音や、白鳥の足跡などを頼りに、空間認識力をフル活用して道を探すのは、非常に難しいですが達成感がありました。
なんだか惜しい作品です。
レビュー
総合評価 | |
シナリオ | |
操作性 | |
システム | |
キャラクター | |
ビジュアル | |
音楽 |
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