今回のレビューは、ゼルダの伝説 ムジュラの仮面3D。
『ゼルダの伝説 時のオカリナ3D』と同様に、ニンテンドー64版のリメイク作品。
時のオカリナの直接の続編。
ただし、前作をやっていないとわからないような物語の繋がりはない。
せいぜいエポナとの出会いや、ゼルダ姫やオカリナとの関係がわからないくらい。
リメイクの際、3DSに適した画質、描き込み、ボタン割り当て、立体視、イベントの追加・変更等、改良されている。
ちなみに、New3DSのCスティックにも対応していて、カメラ操作が可能になっている。
スポンサーリンク
目次
概要
発売日 | 2015年2月14日 |
発売元 | 任天堂 |
開発元 | オリジナル版・任天堂、リメイク・グレッゾ |
ハード | ニンテンドー3DSシリーズ |
ジャンル | アクションアドベンチャー |
CERO | B(12才以上対象) |
公式サイト | ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D |
画像の出典 | 画像は全て、ハード本体のスクリーンショット機能で撮影したもの |
良い点
斬新なシステム
前作時のオカリナは、数々の革新的なシステムを生み出した。
今作は直接の続編だけあって、基礎となるシステムは同じ。
正直、基礎だけでも十分完成されていて、シナリオや謎解きを一新しただけでも商品にはなったと思う。
しかし、今作ではそんな安全策は取らず、挑戦的とも言える、いくつもの斬新なシステムが盛り込まれている。
1・お面
前作にも、お面を被ることで効果が得られるものがあったが、今作ではこれを大きく進化させた。
作中で手に入る24種のお面は、どれも効果が異なり、イベント進行、攻略、情報収集等に使うことになる。
ほとんどのお面はイベントで1、2回使う程度のものだが、中には、被ることでプレイヤーキャラが変身し、全く別のキャラクターを操作できるお面もある。
この変身お面は、各ダンジョン攻略において非常に重要で、今作の根幹を成す要素。
2・3日間システム
今作での冒険の舞台は、3日後に月が落ち、滅亡する世界。
プレイヤーは、この滅亡までの3日間を、時を操り、繰り返し続け、滅亡を阻止するために冒険することになる。
特筆すべきは「この世界に住むほとんどの住人は、この3日間それぞれのサイクルで行動する」って事。
しかもそれは住人一人一人に対し、分単位で設定されていて、こちらが何かアクションを起こさない限りそれは不変である。
まぁ3日間ずっと同じ場所に立ってる人もいるけど。
例えば、ある人とある人は、最初の日の何時何分に必ず会話をする。
プレイヤーがそれを聞き逃しても、最初の日に戻り、その現場に行けば会話を聞ける。
この「3日間システム」を理解すると、「先回りして事件を解決する」「未来でしか知り得ない情報で稼ぐ」「会うはずのない人同士を引き合わせる」といった「タイムトラベラー」な攻略が可能になる。
3日間のいつでも、楽器さえ使えれば最初の朝に戻ることができるが、その際、消耗品やお金は全て失う。
イベントの進行もリセットされる。
お面や装備品、成長度は残る。
消耗品以外のアイテムも残る。
独特な雰囲気
前作も個性的なキャラクターは多く、怪しい雰囲気もあった。
今作は、そこがさらに強くなり、不気味で、どこか怖いような、悲しいような雰囲気が漂う。
前述した変身お面を被るシーンは、かなりホラー。(2回目以降はスキップできます)
豊富なサブクエスト・ミニゲーム
本編をクリアするだけなら、あっという間。
今作はお面集めや、ハートのかけら(体力アップアイテム)集めといった収集要素が数多くある。
入手方法も様々で、
- サブクエストをクリアする
- ミニゲームをクリアする
- 脇道や洞穴を探索する
等々。
ミニゲームも、
- 的あて
- レース
- 釣り
- 迷路
等、バリエーション豊か。
不満点
「初心者お断り」な難易度
ダンジョンに散りばめられた仕掛けは、立体的かつ多面的で、大変上質で解き応えがある。
しかしその難易度は、最序盤から高めで、ゼルダに慣れていなければ非常に難しい。
「シーカーストーン」という救済措置はある。
前作をクリア済みであれば分かることではあるが、
- 目のスイッチは射抜く
- 踏むスイッチは、踏み続けなければならないもの、時間経過で元に戻るもの、踏みさえすればいいもの、がある
- 宝箱にもフックショットが刺さる
- 火の点いた篝火を射れば、矢に火が点く
など、この辺りは説明不足だと感じた。
3日間という時間制限もあり、謎解きにモタモタしていられないのも辛いところ。
「3日間システム」の弊害
斬新でおもしろい「3日間システム」だが、無視できない弊害もいくつかある。
最初の朝に戻ったら、それまで所持していた消耗品は全て失う。
お金は預けていれば戻ってくるが、矢や爆弾、ビンの中身等、必要なら集め直す必要がある。
店では売っていないものもあるし、ツボや草をあさる手間がかかる。
最初の朝に戻ったら、進行中のイベントはリセットされる。
時間が戻っているから致し方ないが、全く同じ会話を繰り返さなければならない。
スキップもできない。
差し込まれるムービーも、ほとんどスキップできない。
時の繰り返しを認識してる相棒の妖精ですら、同じ話をしだす。
最終盤での一部ステージ
今作でも謎解きはおもしろかったが、最後の最後で、謎解きとは関係ないテクニックを求められて詰まりかけた。
具体的にいうと「水中から勢い良く飛び出し、足場に乗る」ってところ。
タイミングが難しく、それを4回せねばならないのだが、1度でも失敗すれば最初から。
しかも、スイッチを起動させ、扉が開いている間にたどり着かねばならない。
そういうのはミニゲームにしてくれ。本編に入れないで。
プレイ状況
ソフトウェア | パッケージ版 |
プレイ時間 | 45時間 |
シリーズのプレイ状況(みなと) ※記事作成時点 |
ゼルダの伝説 時のオカリナ(N64) ゼルダの伝説 夢幻の砂時計(DS) ゼルダの伝説 4つの剣 25周年記念エディション(DSiウェア) ゼルダの伝説 スカイウォードソード(Wii) ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D(3DS) |
総評
特徴的なシステムは難点もあるが、その攻めの姿勢は、とても評価している。
難易度は上昇したが、詰まった時の救済措置もある。
今作は、距離感を掴んだり、頭上の月を眺めたりするのに、立体視の恩恵が強い。
なかなかの臨場感なので、プレイする際、3D表示はできるだけONがオススメです。
思ったのだが、
「時のオカリナ」と「ムジュラの仮面」の関係は、「ゼノブレイド」と「ゼノブレイドクロス」の関係に似ている気がする。
前作は、革新的なシステムと王道な展開で、多くの人が認める「名作」。
次作は、尖った試みを盛り込み、アクが強くなり、人を選ぶ「怪作」
レビュー
総合評価 | |
シナリオ | |
操作性 | |
システム | |
キャラクター | |
ビジュアル | |
音楽 |