Observation(オブザーベーション) 感想・レビュー byみなと / まるで実写!冷たく静かで恐ろしい宇宙の謎

2021年10月2日

今日のレビューは、宇宙ステーションを舞台にした一人称視点のアドベンチャー『Observation(オブザーベーション)』です。

スコットランドに拠点を置く「No Code」という開発社が制作した作品です。
映画『2001年宇宙の旅』や『惑星ソラリス』に近い雰囲気の、宇宙サスペンスが繰り広げられます。

主な良かった点

  • 徹底した舞台設定
  • ハイクオリティなグラフィック

主な不満点

  • SPHEREの操作性
  • ヒントがわかりづらい

それでは詳しく書いていきます。
ストーリーのネタバレはありません。
プレイしたのはPS4版です。

概要

21年10月1日時点の情報です。

発売日 2019年9月5日
発売元 Devolver Digital
開発元 No Code
ハード プレイステーション4、Xboxシリーズ
ジャンル アドベンチャー
プレイ人数 1人
CERO B(12才以上対象)
IARC 16+(16才以上対象)
通常価格(税込) PS4版:2,628円
Xbox One版:2,900円
公式サイト Observation(PS公式サイト)
画像の出典 画像は全て、ハード本体のスクリーンショット機能で撮影したもの
権利表記 Copyright 2019 No Code. All Rights Reserved

 

 

ゲーム内容

プレイヤーはAI「S.A.M.」

国際宇宙ステーション「Observation」に搭載された人工知能・S.A.M.が、プレイヤーとなります。

とある事故が起こり、データを失ったS.A.M.。
乗組員も行方不明。

唯一コンタクトが取れる乗組員のエマ・フィッシャーと協力して、事故の原因やステーションの不具合を解明していきます。

端末の修理や操作は、基本的にはパズルのような形で解いていきます。
同じ部屋内にヒントがあったり、エマがヒントを教えてくれることもあります。

 

操作するのはカメラとSPHERE

この画像はゆがんでいる演出のところです

 

実体のないAIがプレイヤーのため、視点は常に一人称。
ゲーム画面は主に、ステーション内に設置されたカメラを通したものになります。

カメラを動かしたり、切り替えたり、ズームしたりして、ステーション内のシステムを確認・操作します。

 

物語が進むと「SPHERE(スフィア)」という球体に視点を移動させることができます。

SPHEREは無重力であれば空気噴射で移動が可能な機械で、このSPHEREを使わないと行けない場所や見られないエリアなどがあります。
逆にSPHEREではアクセスできないシステムもありますし、ゲームが進行しないと開けない端末などもあります。

 

 

良い点

徹底した舞台設定

宇宙ステーションを舞台にしたミステリー。
プレイヤーはAIで、カメラを通して攻略していくーーー。

この構造は見事に完成されており、終始感心してプレイしていました

アクシデントの謎や、そこに至る謎、そこからさらに広がる謎の見せ方や展開のしかたも上手く、引き込まれます。

ステーションの造りや、船員のプロフィールなども丁寧に設定されているので、非常にリアリティがありました

 

ハイクオリティなグラフィック

静かで冷たい宇宙の雰囲気が、120%表現されていました。
謎めいていて、恐怖すら感じる未知の宇宙が、とても丁寧に作られています。

宇宙ステーション内のグラフィックは非常に精巧で、無機質。
雑多なステーションの描写も完璧で、まさに実写のような作品でした

「実写映画そのもの」と言っていいくらいです。
実際、ストーリーの流れや展開も映画そのものでした。

さすがに人物の顔は少しCG感が出ますが、顔を映す場面も多くありませんし、気になりません。

 

多様なパズル要素

ステーション内の機械を動かしたり、エマの指示をこなしたりするために、端末を操作するシーンは多いです。

  • 手にいれた回路図に従って回路を引く
  • サーチした情報を基にパスコードを解く
  • 接続部の信号を的確につなげる

などなど、操作する端末や状況によって、さまざまなパズルを解くことになります。

同じルールのパズルを解くよりも、より「複雑な宇宙ステーションに干渉している感」が出ていたと思います。

 

 

不満点

SPHEREの操作性

宇宙ステーション内を自由に移動できる球体、SPHERE。
多くの場面でSPHEREを操作しますが、その操作性はイマイチでした。

まず、勝手に回転してしまいます。
方向転換をするだけで水平感覚が崩れ、どちらが上か分からない状態になります

「Lボタン・Rボタン」で回転が可能なので、水平状態は維持して回転したい時だけ「LR」で回転。
という操作方法だったらよかったのに。と思いました。

物にぶつかるとすぐにノイズが走るのも不満ですし、暗い所に行くとなにも見えなくなる点も良くありませんでした。

エマが照明代わりにSPHEREを使っていた場面もあったのに、自主的にライトを出せないのは、なぜ?

 

ヒントがわかりづらい

今作のパズルは多様で、パズルの難しさもバラバラです。

中にはかなり難しいものもあり、解放がわからず、ステーション内を右往左往することもしばしば。

ある英単語がわからないと解けないようなパズルもありました。
制限時間があるようなものは少ないですが、かなり時間を食ってしまったものも。
もう少しわかりやすいヒントがあるとありがたかったです。

 

 

気になった点

対象年齢について

今作の対象年齢は「CERO」と「IARC」とで違います。

PS4はCERO表記で、12歳以上対象。
XboxシリーズはIARC表記で、16歳以上対象です。

実を言うと終盤のあるシーンは、そこそこ衝撃的。
対象年齢は16歳以上の方が妥当だと思います。

 

 

プレイ状況

ソフトウェア ダウンロードソフト
プレイ時間 15時間
トロフィー 状況(記事作成時現在) 61%
トロコン 難易度 難しい

 

 

『Observation(オブザーベーション)』の総合評価・レビュー

高クオリティのグラフィックと、冷たい宇宙の雰囲気が融合した作品です。
「宇宙ステーションを舞台にしたミステリー」というジャンルでは、完璧に近い空気づくりかと思います。

残念ながら操作性はいまいちですが、こういったSFが好きな人には、ぜひプレイしてみてほしい作品です。

ちなみに作中で重要になる「六角形」と「六角形の嵐」。
ネタバレになるので詳しく言えませんが、実際にもそういった現象は存在するらしいです。
このように実在の現象に絡めた環境づくりも、リアリティがあって良いですね。

 

レビュー

総合評価
シナリオ
操作性
システム
キャラクター
ビジュアル
音楽
オススメ
Returnal(リターナル) 感想・レビュー byみなと / 超難度だけど楽しい弾幕ローグライク

PS5のスペックを存分に活かしたローグライクTPS『リターナル』。真エンドに到達したので感想・レビューをお届けします。想像の5倍難しく、5倍楽しい!ですが、不満もチラホラ。

  • B!

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