Backbone(バックボーン) 感想・レビュー byみなと / ハイセンスで心をえぐるノワール調サスペンス

2022年2月19日

今日のレビューは、アライグマ探偵が主人公のアドベンチャー『Backbone(バックボーン)』です。

  • 退廃的な大都市
  • くたびれた私立探偵
  • 謎めいた美女

といった、いわゆる「ノワール調」を意識した作品で、ドットとエフェクトを駆使したグラフィックで描かれます。

「Backbone」は、「背骨」や「気骨」、「思想の根幹」といった意味があります。
意味を知っていると、今作に対する捉え方が変化するかもしれません。

主な良かった点

  • ハイセンスなグラフィック表現
  • 社会を風刺した物語

主な不満点

  • パズル要素が少ない
  • チャプター選択ができない

それでは詳しく書いていきます。
プレイしたのはSwitch版です。
ネタバレはありません。

概要

22年2月20日時点の情報です。

発売日 Xboxシリーズ版:2021年6月8日
Nintendo Switch版:2022年2月10日
発売元 Raw Fury
開発元 Eggnut
ハード Nintendo Switch、Xboxシリーズ
ジャンル アドベンチャー
プレイ人数 1人
IARC 16+(16才以上対象)
通常価格(税込) ダウンロードソフト
Xboxシリーズ版:2,900円
Nintendo Switch版:2,570円
公式サイト Backbone(海外公式サイト)
画像の出典 画像は全て、ハード本体のスクリーンショット機能で撮影したもの
権利表記 © Copyright 2021 EGGNUT. Developed by EGGNUT. Published by Raw Fury AB. All Rights Reserved.

Nintendo Switchの動画撮影機能に対応しています。

画像はクリックすると拡大します。

 

ゲーム内容

『Backbone』の世界は、人型になった動物たちが文明を築いた世界です。
見た目以外は人間と差は少ないですが、種族による格差や動物ならではの悩みもあるようです。

主人公は、私立探偵のハワード・ローター。
アライグマです。

ある日、カワウソの婦人から「夫の浮気調査」の依頼を受けたハワード。
簡単な依頼かと思いきや・・・。

 

選択肢

ほとんどの会話で、複数の選択肢が登場します。
選んだ選択肢によって会話の展開に差異は生じますが、基本的にルートは分岐せず物語は大きく変わらないようです。

ゲームオーバーや取り返しのつかない要素もないので、自由に思うがままに話を進めましょう。

 

パズル要素

数は多くありませんが、パズルや推理する要素があります。

操作方法がちょっと特殊なので、直前に出る説明文は見逃さないようにしましょう。

ちなみに最初に出るパズルの操作方法はこちら↑。
「アイテムの回転」とありますが、実際は「アイテムの移動」です。

 

言語設定

ゲーム中はいつでも「主要言語」と「第二言語」の切り替えができます。

ただし、ゲーム内の説明では「ZLボタンで切り替え」とありますが、実際には「Lボタン」です。

切り替え操作してから反映するのに、若干のタイムラグがあります。
ちょっと暴発もしやすいので、わずらわしいようなら言語切り替えを「無効」にしましょう。

 

操作方法

あ、こっちでは言語切り替えはちゃんと「Lボタン」になっていますね。

 

 

良い点

ハイセンスなグラフィック表現

今作は全編ドット絵。
加えて光や水は特殊なエフェクトを使って表現しています。

どれも非常に高精細で、かなり美しいです。

 

街の表現も素晴らしく、街の名前がドンと出るところもハイセンス。
グラフィック面は全面的に、文句のつけようがありません。

 

翻訳が良い

日本語訳はかなり頑張っていると思います。
言葉遊びのような特殊な言葉も、ちゃんと日本語として通じるように訳してあって感心しました。

中には専門的なセリフも哲学的なセリフも出てきますが、ちゃんと通じます。

 

まぁ文字が画面から切れちゃってるところもありましたが。

 

社会を風刺した物語

動物の世界が舞台の作品ですが、その社会体制や抱えている問題、種族が抱える闇など。
「人間の現代社会を風刺している」と感じる場面が多くありました。

「動物が主人公」と聞くとカワイイ印象ですが、実際は骨太でハードボイルドです。

ネタバレになるので多くは語れませんが、ショッキングなシーンもあります。
考えさせる部分も多く、クリアした感想としては「心をえぐられて、グルグル考えが巡る」といった感じです。

 

 

不満点

パズル要素が少ない

パズルや推理が必要なシーンはほんの一部だけで、あとはほぼ移動と会話だけで話が進みます。

探偵を主人公としたアドベンチャーとしては、少し物足りなく感じました。

 

チャプター選択ができない

おそらく「それまでの行動によって展開に差が出る」という仕様だからだとは思いますが、クリア済みのチャプターから始めなおすといったことができません。

セーブデータをわけることもできないので、「はじめから」にするとそれまでの進行状況はリセットされます。

クリア後「あそこだけもう一度やりたいな」と思ってもできないのは不満でした。

 

 

気になった点

「明確な答え」を求める人には不向き

ノワール調のサスペンス作品で、謎が謎を呼ぶストーリー。
ですが、最終的にすべての疑問に答えが示されるかと言ったら、そういうわけでもありません。

次第に正統のサスペンス展開よりSF寄りになっていく点も、賛否がわかれそうです。

「明確な答え」が示される作品ではなく、この作品を通してプレーヤーの心に爪痕を残し、物の見方に変化をもたらすかもしれない作品。
といったところでしょうか。

「うーん・・・」
というところもありますが、特にエンディングが複数用意されているようではなさそうです。
個人的には、別のエンドも見てみたかったです。

 

 

プレイ状況

ソフトウェア ダウンロードソフト
プレイ時間 約5時間

 

 

『Backbone(バックボーン)』の総合評価・レビュー

想像もつかないような急速展開を見せ、クリア後は呆然としてしまいました。

希望も絶望も入り混じり、その後の世界を想像せずにはいられません。
プレーヤーの心にザックリと爪痕を残す作品でした。

 

レビュー

総合評価
シナリオ
操作性
システム
キャラクター
ビジュアル
音楽
オススメ
ヘッドライナー:ノヴィニュース 感想・レビュー byとも / メディアが国民を動かす!正統な社会派ゲーム

「マスメディアの影響力」を体感できる、社会派マルチエンドゲーム。3周クリアして感じたことを書いていきます。

  • B!

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