評価:5
2024年1月25日に発売した『風来のシレン6 とぐろ島探検録』。
『シレン5』以降、なんと14年振りとなる完全新作です。
時系列としてはゲームボーイで出た『風来のシレンGB 月影村の怪物』の後の話ですが、過去作をプレイしていなくてもほとんど問題ない作品です。
全ダンジョンを制覇できたので、感想・レビューいきます。
記事の最後には、最難関ダンジョンである「とぐろ島の神髄」をクリアした際のコツも書いていきます。
主な良かった点
- 原点回帰の楽しさ
- 便利な手帳
主な不満点
- 「デッ怪」の存在意義
この記事は発売直後に公開したファーストレビューを加筆修正したものです。
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概要
ゲーム内容
『風来のシレン』は、ダンジョンに潜って深層を目指すダンジョンRPGです。
ダンジョンで倒れたら拠点に戻り、持ち物や経験値をすべて失い、レベル1から再スタートします。
ただし、オンラインに繋げていると「風来救助」で助けてもらうこともできます。
助けてもらった場合、倒れたフロアから再スタートできます。
ダンジョンをクリアしたら持ち物はすべて持ち帰ることができ、次の冒険に持ち込むこともできます。
クリアした場合も、レベルはリセットされます。
バトルの基本
ダンジョンでの行動はターン制で、自分が1回行動すると相手も1回行動します。
自分が動かない限り敵も動かないので、焦る必要はありません。
といった戦略が取れます。
1回行動にあたる動作
- 移動する
- 攻撃する(素振り・空振りも含む)
- アイテムを使う
- 武器や盾を装備する・外す
など
投げ物ショートカットの登録や、アイテムの名付けなどではターン消費しません。
操作方法
操作方法が画像の通りです。
キーコンフィグ可能です。
「ライブ探索表示」は、プレイ時間や装備状況などを表示した状態で冒険できるシステムです。
下の画像のように、2パターン用意されています。
「ZRボタン」や「ZLボタン」には、ショートカットを割り当てられます。
投げ物のショートカットは、そのアイテムを持っていない状態でも割り当てはリセットされません。
マップの見方
マップの見方は画像の通りです。
画面左側に表示されているので、アイテムや敵の位置の確認に活用しましょう。
デッ怪
今作の新要素として「デッ怪」という巨大モンスターが登場します。
- 「デッ怪」は、特定フロアにある「デッ怪ホール」から出現する
- 「デッ怪ホール」は一定ターンで別の部屋に移動する
- 「デッ怪」自身も特定ターンで消える
- 「デッ怪」の攻撃は強力で、前方や横からの攻撃を無効にする
- 「デッ怪」は動きが遅く、背後と中心への攻撃には弱いが、倒しても得られるものは少ない
- シレンがすべての部屋に訪れると、「デッ怪ホール」が消滅する
といった特性があります。
ドスコイ状態
今作には「ドスコイ状態」という新要素が登場します。
- シレンの満腹度が150以上になると自動的に発現
- 攻撃力や最大HPが増える
- 罠を踏むと発動させずに壊す
- 壁を攻撃すると掘れる(武器は壊れない)
- 移動系の効果を受け付けない
- 満腹度が減りやすい
- 満腹度が120を下回ると解除され、最大満腹度が下がる
といった効果があります。
特に壁堀りと罠無効が大きいです。
手帳袋
「メニュー」→「手記」→「手帳袋」で各手帳を閲覧できます。
- もののけ手帳
- 道具手帳
- 印手帳
- 状態手帳
- 罠手帳
があり、新しい敵やアイテムなどを見つけるたびに内容が充実していきます。
モンスターはその特性、アイテムは売値などもわかります。
そういったものも、この手帳に書かれている売値などから推測できるようになっています。
ボヨヨン壁
ダンジョンに、たまに「ボヨヨン壁」という特殊な壁に囲まれた部屋が登場します。
アイテムを壁に向かってナナメに投げると、跳ね返って飛んでいきます。
跳ね返った結果シレンに当たっても、荷物に戻るだけでアイテムの効果は発揮しません。
壺はボヨヨン壁に当たっても割れませんが、跳ね返った先が普通の壁だと割れます。
跳ね返ったアイテムが部屋の四辺に当たることで、投げたアイテムが2つに分裂します。
- 分裂した武器や盾は基本性能で、強化値や印などは増えない
- 呪いや祝福も引き継がない
- 分裂が発生すると一定確率でボヨヨン壁が消滅する
といった特性があるので、何を分裂させるか考えて投げましょう。
また、良いポジションが必ずあるわけではないので、諦めも肝心です。
熱狂の祭り
ダンジョン内で突発的に「熱狂の祭り」が発生することがあります。
祭りは制限時間があり、ターン経過ではなくリアル時間で終了します。
- 武器や武器強化アイテムが大量に出現する
- 敵を倒すと必ずアイテムを落とす
- レベルアップアイテムが出現する
などの種類があり、アイテム出現系は祭りが終了すると消滅します。
消滅する前に拾いましょう。
クロンの挑戦
こちらも突発的に発生するイベントで、フロア開始時に条件と報酬が提示されます。
- 特定のアクションを使う回数を制限する
- ダメージを受けずにモンスターを連続撃破する
- 一定ターン以内にフロア移動する
など条件はさまざまで、報酬も「ギタンを入手」「アイテムを祝福」など多岐にわたります。
条件と報酬を確認して、狙えそうなら挑戦しましょう。
もののけ道場
モンスターやアイテムを自由に配置して、攻略の練習ができる「もののけ道場」というシステムがあります。
配置できるものは手帳に登録したことがあるもののみで、道場から通常の冒険に持ち出しできません。
また、道場内で新たなアイテムやモンスターに遭遇できても、手帳登録はされません。
自分の発想次第ですが、使い方によっては得るものが大きいシステムです。
風来救助
ダンジョン内で倒れると、インターネットを通じて「風来救助」を依頼することができます。
自分が潜ったダンジョンと同じ構成のダンジョンを、別の誰かに潜ってもらい救助してもらいます。
依頼する際は、救助の掲示板に登録しましょう。
救助する側の場合、掲示板から依頼を選んで救助に向かうことになります。
救助に成功したら「奥義ポイント」というものがもらえ、「奥義ポイント」を消費することで救助に役立つ特殊能力を付与できます。
また、今作には「自分救助」という倒れた自分自身を救助できるシステムがあります。
「自分救助」では奥義ポイントはもらえませんが、貯めた奥義ポイントを使うことはできます。
ダンジョンの構成は一緒ですし、待つ必要もありません。
良い点
原点回帰の楽しさ
これまで培ってきた要素の良いところを継承しつつも、
- 30階構成の初期ダンジョン(攻略の流れも初代っぽい)
- 合成の壺に関するイベント
- マスターチキンなどの懐かしいモンスター
- モンスターに変身できる
など、初代『風来のシレン』を彷彿とさせる要素が多い印象です。
とっても懐かしい気持ちになりました。
ちょっとシビア寄りなバランスなのも初代っぽいです。
アドリブの対応力が求められる「とぐろ島の神髄(もっと不思議のダンジョン)」は、相変わらずものすごく難しく、だからこそ何度も潜りたくなります。
便利な手帳
手帳系は情報が充実していて、とても便利でした。
ショートカットに手帳をセットできるのも、便利。
モンスターや武器盾は3Dモデリングを回転させて見ることもできます。
モンスターは動きまで見れるので、図鑑としての満足度はとても高いです。
お店内で所持アイテムの売値がわかる
ダンジョン内のお店では、所持アイテムを置いて店主に話すと買い取ってくれます。
店舗内にいれば、わざわざ置かなくてもそのアイテムの売値がわかります。
これが便利でした。
手帳の情報と照らし合わせやすいですし、未識別アイテムの推測にも役立ちます。
呪いの有無も予測しやすいです。
不満点
「デッ怪」の存在意義
最後までプレイしましたが、やはり「デッ怪」は邪魔なだけでおもしろみを感じられませんでした。
倒しても旨味はありませんし、有効な攻撃も多くないのでスルーが最適。
となると、ただ邪魔なだけであまり意味のない要素に見えます。
一応「デッ怪ホールを消せば、その場所にアイテムが落ちている」という恩恵はありますが。
「風来実績」にはデッ怪撃破の項目があるので、実績集めをしたい場合は意味はあります。
ストーリーはツッコミどころあり
ネタバレになるので詳しくは言えませんが、ストーリーに関してはツッコミどころがあると感じました。
展開自体は良いと思いますが、いかんせん「問題になっている年数」がシャレにならない数字ですし・・・。
あ、一応言っておきますが「まんじゅう」の「まん」ですからね。
プレイ状況
ソフトウェア | パッケージ版 |
プレイ時間 ※記事作成時点 |
約120時間 |
シリーズのプレイ状況(みなと) ※記事作成時点 |
風来のシレン(SFC) 風来のシレンGB 月影村の怪物(GB) 風来のシレン2 鬼襲来!シレン城!(N64) 風来のシレンGB2 砂漠の魔城(GBC) 風来のシレンDS(DS) 風来のシレン3 からくり屋敷の眠り姫(Wii) 風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!(PC) 風来のシレン5 フォーチュンタワーと運命のダイス(DS) |
『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』の総合評価・レビュー
とても久しぶりにプレイする『シレン』なので、しっかり戦えるか不安でした。
ですが、初代を思い起こさせるような構成と、シリーズで培ったシステムを厳選して実装した点はかなり好みで、楽しくプレイできました。
今後の展開も楽しみです。
レビュー
総合評価 | |
シナリオ | |
操作性 | |
システム | |
キャラクター | |
ビジュアル | |
音楽 |
「もっと不思議なダンジョン」攻略のコツ
最後に、今作最難関のダンジョン「とぐろ島の神髄」と「12種の星の石 とぐろ島の神髄(裏神髄)」をクリアしましたので、その攻略のコツを書いていきます。
あくまで「僕なりの攻略法」ですので、ご了承の上参考にしてください。
「もっと不思議なダンジョン」とは
「とぐろ島の神髄」は、「もっと不思議なダンジョン」と呼ばれる、作中最難関として用意されているダンジョンです。
このタイプのダンジョンの特徴としては、
- 持ち込み不可
- 仲間も登場しない
- 99F突破でクリア
- ほぼすべてのアイテムが登場するが、ほぼ未識別
といった感じです。
運の要素も強いので、ついつい「もう1回!」となる魔のダンジョンですね。
下準備
まず「神髄」以外のダンジョンはクリアしておきましょう。
「神髄」には何も持ち込めませんが、手帳の情報は使うことができます。
できるだけ手帳の情報を充実させてから挑みましょう。
また、他の特殊ダンジョンをクリアすることで解禁されるアイテムも重要です。
具体的には、
- ねだやしの巻物
- 壺増大の巻物
- 銀はがしの巻物
- 道具寄せの巻物
- 桃まんの杖
- 身がわりの杖
- 合成の壺
は、解禁・手帳登録しておきましょう。
特に重要なのは「ねだやしの巻物」です。
「杖と巻物の領域」なら、他より高い確率で見つけることができますよ。
手帳の情報は「売価で識別する」という時にも有用です。
充実していれば充実しているほど、役に立ちますよ。
「便利ショートカット」に「手帳」を登録しておくと、パッと出せて便利です。
浅い階層でやること
浅い階層での識別度が、そのまま後半での攻略難度に直結します。
お店があれば識別はかなり楽になりますが、運も大きく絡みます。
なので、浅い階層では多少の思い切りも必要かと思います。
▼未識別の草は飲んじゃう
飲むときは、
- 周りに敵や店がない時に
- レベルアップ直後に
- 体力満タンで
を心がけて飲むようにしたいです。
早い段階で「復活の草」や「いやし草」などが判明できると助かりますし、「くねくね草」などのマイナスアイテムを食べても被害が少なくすみます。
▼未識別の巻物は読んじゃう
未識別の巻物は、フロア探索済みかつ階段の側で読むと安全です。
読む前に一度床置きをして「聖域」かどうかを確認するのも手です。
読んだ時にアイテムを選ぶタイプの巻物は「おにぎり」の可能性があるので、まずは未識別の杖やお香あたりに使っておくと安全です。
僕はあまりお香を使いませんでしたが。
▼装備品に関して
基本的には武器や盾は見つけたものを装備してしまいます。
より強力な装備を装備したら、以降の未識別な物は無理に装備しない方が良いです。
また、「使い捨て」系も装備しないようにしましょう。
腕輪はマイナスアイテム時のリスクが高いので、識別できてから装備するようにしましょう。
腕輪を装備した時はマップ画面やステータスの変化に注視し、何の腕輪なのか判断できると良いですね。
▼杖に関して
杖は、基本的には「あなぐらマムル」に振ってみます。
「洞窟マムル」になってくれるとリターンが大きいためです。
この時、相手との距離がある程度離れている方が、判断や対策をしやすくなります。
▼壺に関して
壺はまず見ただけで「入れる壺」か「押す壺」かがわかります。
押す場合は、階段に乗った状態で押すと安全です。
ちなみに押すだけで識別できます。
入れる場合は、未識別の物を入れると判断できる場合もありますが、できるだけ確実に識別できてから使いたいところです。
僕の場合、割と思い切って入れてしまいます。
▼おにぎりと矢を稼ぐ
可能であれば、「にぎりみならい」に不要なアイテムをおにぎりにしてもらいましょう。
必要なアイテムをすべて床に置いてから、にぎりみならいの周りをウロウロすると良いです。
おにぎりを増やしたら、しっかり食べて満腹度の最大値を増やしましょう。
もし可能なら200まで上げてしまいたいです。
壁際に「毒矢の罠」があればラッキーです。
アイテムを罠に投げて矢を量産しましょう。
石を持っていれば、罠が壁際になくても矢の回収ができます。
遠距離攻撃の手段はあるに越したことはありません。
中階層でやること
中階層では、思い切って草を飲んだりするのは危険です。
未識別アイテムはできるだけ使わず、識別したり売価で判断するようにしましょう。
中盤以降は、できるだけドスコイ状態を維持して攻略したいです。
もしドスコイができない場合は、空振りをして罠の有無を確かめながら進んだ方が確実です。
また、深層に備えて「あかりの巻物」や「導きの杖」を確保できると安心です。
▼合成する
高確率でマゼモンが出現するフロアがあるので、この段階までに合成するべきものがそろっていると、かなり戦力を強化できます。
合成してもらう場合は特に、対策をしておきましょう。
▼ねだやす
オヤジ戦車系と遭遇したら、すぐに「白紙の巻物」に「ねだやし」を書きこんで投げつけます。
早いうちにいなくなってもらった方が、攻略が安定します。
▼サビや毒に注意
中層では「オドロ」「チドロ」といった装備の印まではがしてしまう敵が出てきます。
毒を使ってちからを下げる敵もでますし、隣接するのは絶対に避けたいところです。
さっさと次の階層に行ってしまうのも手です。
深層でやること
深層では即降り推奨。
階段を見つけ次第降りてしまいましょう。
上の画像くらい武器と盾の強さがないと、まともに戦うのは大変です。
▼ねだやす
ねだやせるモンスターは、1種のみ。
別のモンスターをねだやした場合、前にねだやしたモンスターは復活します。
盾に「魔法よけ」などの魔法対策ができていない場合は「がいこつまてん」を、
魔法対策ができている場合は「シハン」をねだやしましょう。
間違えて「カラス天狗」にぶつけないように注意!
さらに高難度のダンジョン
「とぐろ島の神髄」をクリアすると、宿場の石碑から「12種の星の石 とぐろ島の神髄(裏神髄)」へ挑めるようになります。
基本的には「とぐろ島の神髄」と同じルールですが、ダンジョン内に「12種の星の石」が出現。
そのすべての石を持った状態で99Fにたどり着く必要があります。
星の石は、
- マップに表示される
- 出現する階層はランダム
- 壱~拾弐まで順番に登場する
- 何の効果もない
- 壺に入らない
- 燃やされたり雑草にされたりする可能性がある
- 取り逃したり消失した場合、その冒険では二度と手に入らない
といった制約があります。
つまり「とぐろ島の神髄を、アイテム欄を圧迫するアイテムを集めつつ守りながらクリアする」という縛りプレイになります。
加えて注意すべき点としては、
- 保存の壺を早い段階で確保する(星の石と装備品以外はすべて入れるつもりで)
- 場合によっては、白紙は「壺増大」に使う
- フロアを降りるたびに「Lボタン」を押し、星の石の有無を確認する
- 星の石消失を防ぐため、できるだけ「道具寄せの巻物」で石を回収する
- 「道具寄せの巻物」は、星の石を水に落としてしまった場合にも有効
といった感じです。
ちなみにこの「裏神髄」、クリアしても実績には載りませんし、特にメリットはありません。
タイトル画面が変わるくらいです。
あくまで「自分が満足するためのおまけ要素」という認識で挑みましょう。
攻略に役立った印・腕輪
▼武器
「三」「眠」「溜」「連」「ド」「サビ」など
▼盾
「米」「満」「魔よ」「根」「告」「サビ」など
▼腕輪
「気配察知の腕輪」「道具感知の腕輪」「胃拡張の腕輪」など