評価:4
今日のレビューは、『零 ~月蝕の仮面~(ゼロ ~つきはみのかめん~)』です。
2008年にWii用タイトルとして発売されたホラーアドベンチャーゲームです。
2023年にリマスター版が発売され、さまざまな機種でプレイできるようになりました。
主な良かった点
- 練られた舞台設定
- 特徴的なシステムと美少女
主な不満点
- 浮遊霊の撮影タイミング
- 霊石灯の撮影機能

プレイしたのはSwitch版です。
ちなみに、『零』シリーズは初プレイです。
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目次
概要
ゲーム内容
『零 ~月蝕の仮面~』は、章仕立てになっている3人称視点のホラーアドベンチャーです。
章によって操作キャラが変化します。
「朧月島(ろうげつとう)」という、主人公たちの故郷であり、災厄によって島民が全滅した島にある、とある廃病院が舞台となります。
主人公たちの過去に向き合いながら、その災厄の謎を解き明かします。
射影機
シリーズを象徴するカメラ、「射影機」。
幽霊を撮影することで撃退することができます。

- 一撃で倒すわけではなく、近いとダメージが増加する
- 「近く」よりも「敵が攻撃する瞬間」の方がダメージアップ(フェイタルフレーム)
- 霊だけではなく「過去の記憶」のようなものも見え、撮影できる
といった特徴がありました。(今作特有かもしれませんが)
また、レンズやフィルムを変えることで、ダメージアップやスキルが使えます。
コスチュームチェンジ
探索エリアのいたるところに隠されている「鬼灯人形」を見つけて撮影。
その撮影数が一定数に達すると、セーブポイントで買えるコスチュームが増えます。
メガネや髪飾りなどもあります。

相手が幽霊なら、着込んだところで防御力なんてないですし、水着でもイイですよね。
フォトモード
フォトモードは「Lボタン、Rボタン、Yボタン同時押し」で起動します。
ゲーム本編での霊の撮影とは別物で、ゲーム自体が止まりキャラクターを自由に配置して撮影ができます。

良い点
練られた舞台設定
離島独自に伝わる奇病と、それにまつわる治療と慣習。
といった、奇異ながらも地域性のある内容で、かなり練られた設定だと感じました。

探索の舞台になるのも、その奇病に関連して廃病院が主ですし、雰囲気抜群でとても怖いです。
リマスター前は未プレイですが、とても丁寧なグラフィックになっていると思います。

「仮面」との絡め方も秀逸です。
特徴的なシステムと美少女
「カメラで霊を撮影して撃退する」という、『零』シリーズならではのシステムは、かなりおもしろかったです。
カメラを構えることで一人称視点になり、霊による攻撃がより怖く臨場感を感じられました。
霊が攻撃する瞬間に撮影すると大ダメージですし、ホラーとゲーム性・アクション性の親和性がとても高かったです。
ホラーと美少女との相性も良く、非力だからこそ射影機に頼る必要があり、説得力もありました。
足は遅いですが。

幽霊さんも美人揃いでした。
不満点
浮遊霊の撮影タイミング
探索中に現れる浮遊霊や過去の記憶。
射影機をすばやく構えて撮影できれば、ポイントを得られます。
ですが、この浮遊霊たちが出現するのは、ほぼ一瞬。
しかも再出現しません。
一部は、本当にタイミングがシビアです。
全体の達成度に影響しますし、序盤はポイントを無駄にできませんし・・・。

ロードしてやり直すか・・・。
という場面が多々ありました。
手間ですし、中盤以降は諦めましたが。
もう少し撮影時間に猶予があるとうれしかったです。

霊石灯の撮影機能
一部の章で使える「霊石灯」。
射影機と同じように霊を撃退できる武器ですが、射影機よりも攻撃が早く範囲もあり、非常に強力。

ですが、1つ難点が。
霊石灯で「地縛霊」や「鬼灯人形」を撮影をしたい場合、「写」のレンズに切り替える必要があるのです。
メニュー画面だけではなく、構えた時にも切り替えられるので小さな手間ではありますが、その手間の必要性を感じません。

まぁありがたいのですが、それもまた意味不明です。
気になった点
キャラの個性
登場する女の子たちは非常にカワイイのですが、ちょっと見た目が似ていて個性が薄いと感じました。
例えば、↑の画像左が主人公の一人の「流歌」で、右がその友人の一人「円香」。
ずっとプレイしていると見分けられるようになりましたが、最初はこんがらがりました。
登場人物の動機
結果的に物語がまとまったとはいえ、なぜあんなに危険な場所に女の子だけで向かう必要があったのか。
しかも夜に。
登場人物の行動自体には、ちょっと説得力に欠ける部分がありました。
プレイ状況
ソフトウェア | パッケージ版 |
プレイ時間 | 約23時間 |
『零 ~月蝕の仮面~』の総合評価・レビュー
ずっと気になっていたシリーズなので、今回プレイできて良かったです。
グラフィックやストーリーのクオリティも高く、『零』シリーズの他の作品もプレイしたくなる内容でした。
「ホラー」としては、雰囲気や舞台背景も良く、非常に怖い作りです。
が、幽霊が出まくるので中盤以降はさすがに慣れ、ほとんど平気になってしまいました。
- 難易度はストーリー開始時にしか選べない
- ハードモードクリアでのみ見れるエンディングがある
という制約はありますが、低難易度でプレイすればそれほど難しくはないので、ある程度ホラー耐性がある人にはオススメしたいところです。
レビュー
総合評価 | |
シナリオ | |
操作性 | |
システム | |
キャラクター | |
ビジュアル | |
音楽 |
余談:進行不能バグ
プレイ中進行不能バグに遭遇しました。
具体的には「九ノ蝕でのボス戦後、ムービーが流れなくなり、進行しなくなる」というものでした。
- 倒し方を変える
- コスチュームを変える
- レンズを変える
など、いろいろな方法を試しましたが、どれもダメでした。
仕方なく、コーエーテクモゲームスのサポートセンター様に問い合わせをし、解決策を教えてもらうことにしました。

なかなか珍しい体験でした。
結局のところ解決策は「手動セーブとオートセーブのデータのうち、無事なオートセーブデータで進行する」というものでした。
その2つのデータ、違いは「準備として回復アイテムを買っているか」くらいでしたので、なぜオートセーブデータでは大丈夫なのか、説明がつかない状態です。

とはいえ、セーブデータは送ってありますし、今後パッチなどが配信されるかもしれません。
今後の対策として「いくつかセーブデータを作っておく」が、不測の事態に有効なのだと感じました。
今回の件で、コーエーテクモゲームスのサポートセンター様は非常に丁寧に対応してくださいました。
感謝の想いが絶えませんし、とても信頼できる会社だと感じました。
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