今日のレビューはこちら、『月英学園 -kou-』。
17年8月のフリープレイで配信された、アークシステムワークス製のアドベンチャーゲームです。
テキストと絵で読み進め、選択肢によりエンディングが分岐するタイプの、いわゆる「ビジュアルノベル」に当たります。
原作は、なんと声優の杉田智和さん。
彼が所属する同人サークルの作品を、家庭用ゲーム機用に移植したもの。
音楽は伊藤賢治さんです。
2015年には、PC版も発売されています。
極力ネタバレなしで、レビューいってみます。
スポンサーリンク
目次
概要
発売日 | 2013年10月10日 |
発売元 | アークシステムワークス |
開発元 | アークシステムワークス |
ハード | PS VITA |
ジャンル | 学園伝奇アドベンチャー |
CERO | C(15才以上対象) |
公式サイト | 月英学園 -kou- |
画像の出典 | 画像は全て、ハード本体のスクリーンショット機能で撮影したもの |
ゲーム内容
主人公・遠山浩は、桃生町(ももうちょう)の「月英学園」に転校した。
この桃生町では、夜になると鬼のような異形の怪物「ハザード」が現れる。
月英学園の生徒会は、それぞれが異能力を持ち、この「ハザード」と戦う。
遠山浩は、この生徒会やハザードと関わりながら、この町の謎にせまる。
システム・操作方法
システムは、オーソドックスな「ビジュアルノベル」と同様。
「バックログ」や「オートリード」、「スキップ」などが可能。
今作はVITAのタッチスクリーン操作にも対応していて、
- 画面タップで「メッセージ送り」
- 横フリックで「システムメニュー」
- 縦フリックで「バックログ」
- 「メニュー」や「バックログ」画面から、ゲーム画面に戻るには、横フリック
バックログ画面では、そのセリフの音声を再生できる他、戻りたいシーンからゲームを再開できる「シーンバック」も可能。
ここもタッチ操作が可能で、
- 再生したいセリフをダブルタップで、セリフ再生
- 戻りたいセリフを長押しで、「シーンバック」
エンディング分岐
今作は、途中途中の選択肢によって、エンディングが分岐する。
各キャラクターがメインのエンディングが、8つ。
それらを全て見ると、タイトルの「はじめから」に新たなエピソードが現れる。
そのエピソードをクリアすると、また「はじめから」に最後のエピソードが現れる。
良い点
動きのあるアクションシーン
絵と文章のみで進めるタイプのゲームだが、恋愛やギャグより戦闘シーンが多め。
でも「紙芝居」っぽさは少なく、動きやエフェクトを多用した「迫力のあるシーン」になっている。
アニメや3Dモデリングを用いずに、可能な限りアクションを魅せる工夫をされているようで、良い。
超豪華声優陣
声優の杉田智和さんが関わっているからか、今作の声優陣はとても豪華。
参考までに、今作に登場する声優さんを全員挙げておきます。
ネタバレを避けるため、役名は伏せます。
エンドロール順です。(敬称略)
- 早見沙織
- 細谷佳正
- 中村悠一
- 悠木碧
- 茅野愛衣
- ゆかな
- 石田彰
- 坂口大助
- 安元洋貴
- 丹下桜
- 佐藤利奈
- 中井和哉
- 石川界人
- 山口立花子
- KENN
- 沢城みゆき
- 桑島紀子
- 杉田智和
- 山本匠馬
- 銀河万丈
- 鍋井まき子
- 中田譲治
- 津田美波
- 内田真礼
- 高森奈津美
- 田中敦子
- 井上喜久子
- 竹内良太
- 伊智生士冶
- 宮内敦士
- 江川大輔
- 小野友樹
- 潘めぐみ
- 木村昴
- 近藤浩徳
- 加藤美佐
- 青木瑠璃子
- 岩崎諒太
- 原英士
- アジルス
- マフィア梶田
- 碓氷剛史
どうでしょう、知っている名前がけっこうあるのでは?
その使い方も贅沢。
中井和哉さんは、ほとんどまともに喋らないキャラだし、潘めぐみさんなんて名前もない生徒。ペガ・・・。
充実したライブラリ
- タイトル画面で「開放の間」を選択すると、ライブラリを閲覧できる
- ゲーム中のCG鑑賞、BGM鑑賞はもちろん、各キャラクターのプロフィールも分かる
- 本編クリア後なら、各キャラクターを担当された声優さんのメッセージも聞ける
不満点
やや強引なシナリオ
読み進めていく毎に、小さな「矛盾」がちょいちょい見られ、気になってくる。
「こっちのエピソードと、あっちのエピソードでは言っていることが違う」という部分もある。
「演出重視」で設定的におかしいところ、うまく繋がらないところもあり、プレイ中はかなりモヤモヤした。
しかし、最終エピソードで、その矛盾はほとんど解決する。
けれど、その解決もけっこう無理矢理。
「どんな問題でも説明できてしまう万能の設定」であり、強引さはいなめない。
最終エピソード以外のエンディングは、ほぼ全て「謎を残したバッドエンド」なので、最終エピソードを読むことでスッキリはする。
今作を始めたのなら、最後までプレイすることを強く勧める。
長い・テンポが悪い
今作をトロコンしたプレイ時間は、38時間。
この手のジャンルのゲームとしては、長い部類に入ると思う。
複数のエンディングをこなすことで「真エンディング」へ行けることを考えると、当然の長さではある。
まぁ、「これ必要か?」というエピソードもあったけど・・・。
ただ、シーン毎にエフェクト等が用いられているためか、「スキップ機能」のスピードが遅め。
プレイ時間の38時間の内、2~3時間は「既読スキップ」での放置時間に取られているかと思われる。
他にも、「バックログ」や「メニュー」を開いた時のノイズの演出など、細かいところでテンポの悪さがみられる。
モノローグ?
主人公のセリフは、黄色い文字で表示される。
主人公以外のセリフは、白い文字。
モノローグは、灰色の文字。
これ、ちょっとわかりづらい。
しかも、主人公・浩のモノローグは、「それ、しゃべってんじゃないの?」というのが多い。
心の中で突っ込みすぎ。
浩のセリフにボイスが入ってたり、入ってなかったりする点も、わかりづらさに拍車をかけている。
プロフィールの情報が音声のみ
「開放の間」で閲覧できる、各キャラクターの「プロフィール」。
この内容は、全てそのキャラクターが「しゃべって」伝えてくる。
文章では表されない。
キャラクターの個性がよく出る手法ではあるけど、テキストとして出てくれないと分からんでしょ。
キャラクターによってはボソボソと小さい声でしゃべるので、ホント何言っているか分からない。
プレイ状況
ソフトウェア | ダウンロード版 |
プレイ時間 | 38時間 |
トロフィー 状況 | 100% |
トロコン 難易度 | 簡単 |
総評
突っ込みどころは多々ありましたが、なんだかんだ上手くまとまっていた印象です。
それぞれのキャラクターも個性的で、話の展開の仕方が良く、先が気になりました。
主人公も好感が持てるキャラ。
この手のゲームの場合、主人公の魅力が特に大事です。個人的には。
女性キャラでは、「麻生さつき」がお気に入り。
後方支援サポートだけど、使い方次第では強力。
彼女のエピソードも好き。
巨乳だし。
逆に苦手なのは「執行律」。
年齢以上に幼いキャラは、苦手なんです。
乱暴で一方的な点も、マイナス。
そうそう、参加声優の中に「マフィア梶田」さんがいます。
『メガテン』好きで、アトラス関連の生放送等でよく見かけますが、ライターなんですよね。
作中、彼にそっくりのキャラが出てきますが、声優さんは別の方・安元洋貴さんです。
安元さんいわく、梶田さんは「フリー素材」らしいですね。
本編をクリアすると、プロフィール画面でトレードマークの「色メガネ」をかけさせることもできます。
この時だけのお遊び要素です。
なにやってんだかー。
ちなみにマフィア梶田さんは、特に名前のない男子生徒役です。
レビュー
総合評価 | |
シナリオ | |
操作性 | |
システム | |
キャラクター | |
ビジュアル | |
音楽 |