評価:4.5
今日のレビューは、6月30日に発売されたパズルベンチャー『ゴースト トリック』です。
2010年にニンテンドーDSソフトとして発売した作品で、13年の時を経てリマスターされました。
『逆転裁判』シリーズなどを手掛けたゲームデザイナー・巧舟さんの作品です。
主な良かった点
- 完成度の高いストーリー
- 濃くてコミカルなキャラ
- 練られたギミック
主な不満点
- 画面タッチによる暴発
- 自由度は低い
それではネタバレはせずに、レビューを詳しく書いていきます。
書いていきますとも!
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目次
概要
ゲーム内容
主人公は、幽霊となった「シセル」。
特別なチカラを使い、自分を殺した犯人や謎を追っていきます。
「トリツキ」「アヤツル」
シセルは「コアのあるモノ」に憑りつくことができます。
魂であるシセルは、コアからコアへ伝うように移動できますが、距離が遠いコアへは移動できません。
移動するには「Lボタン」で「死者の視点(トリツクビジョン)」に切り替えて移動します。
トリツクビジョン中は現実世界の時間は止まります。
とりついたモノによっては、操ることができます。
操るには、現実世界に戻る必要があります。
「ピタゴラスイッチ」を自分で成立させるゲーム。という感じですね。
モドル
シセルが持つ、もう1つのチカラ。
それは「トリツク」で亡骸に触れると「その人が死ぬ4分前」に戻れるチカラです。
4分前に戻り原因を取り除くことで、その死の運命を変えることができます。
トライ&エラーで最適な動きやタイミングを見つけましょう。
操作方法
操作方法は、カプコン公式のWebマニュアルページに記載されています。
知らずに文章を飛ばしてしまいました・・・。
ちなみにマニュアルには書いていませんが、画面をタッチし続けることでもメッセージ送りします。
また、「Lボタン」でトリツキ視点になりますが、「もう一度Lボタン」でも前の画面に戻れます。
背景を変える
「オプション」→「画面設定」→「背景」で、ゲーム画面左右の背景を変えることができます。
背景は左側と右側を別々に設定できますので、お好みの組み合わせで楽しみましょう。
オタノシミ
- 章ごとに設定された挑戦項目を確認できる「チャレンジ」
- 設定画などを閲覧できる「イラストアツメ」
- BGMを聴くことができ、アレンジ版とオリジナル版も収録した「BGMアツメ」
- 登場人物や場所の情報を閲覧できる「キオク」
- 動くパネルパズルで遊べる「ゴーストパズル」
が、オマケ要素として収録されています。
「ゴーストパズル」はクリア後要素です。
良い点
完成度の高いストーリー
物語が進むごとに新たな謎が現れ、どんどん先が気になるストーリーでした。
終盤はそれまでの謎をきちんと解決していくので、とても気持ちが良かったです。
濃くてコミカルなキャラ
今作に登場するキャラクターは、みんな濃くてコミカルで印象的でした。
「死」をテーマにした作品ではありますが、このキャラたちや画風のおかげで全体的に重くならずに進めることができます。
練られたギミック
「トリツキ」「アヤツル」一連のギミックは良く練られていて、
と感心するところも多かったです。
「ピタゴラスイッチを成立させるために奔走するボール」になったような気分で、おもしろい体験でした。
「ピタゴラスイッチ」が好きな人は、特に楽しめるかと思います。
不満点
画面タッチによる暴発
今作はSwitchの画面タッチに対応しています。
タッチメインでプレイする場合はそれほど気になりませんが、携帯モードでボタンメインで遊んでいたりすると、指の端がディスプレイにかかって暴発することがありました。
バックログがあるとはいえ、暴発しないにこしたことはありません。
「タッチ操作をOFF」にする機能があるとよかったです。
自由度は低い
「幽霊になって、物に憑りついて操る」という作品なので、もっといろいろなものに憑りついてさまざまなアクションやリアクションを楽しめる作品なのかと思っていました。
ですが、実際は「最適解を探し当てるパズルゲーム」でしたので、少しだけ期待していたものとは違っていました。
時間的に余裕がないシーンも多いので、余計なことをしているヒマがないのも要因かと思います。
また、攻略部分に関してもいくつか正解パターンが用意されていると良かったと思いました。
気になった点
難易度について
全体の難易度としては、基本的には徐々に難しくなっていきます。
ですが、部分部分大きく難易度が高いパズルがあり、いくつか詰まりかけたところもありました。
ヒントも多いですし、失敗してもやり直しがききます。
むしろ失敗することで大きめのヒントがもらえるところもあります。
ですが、やり直しても「良いタイミング」まで時間がかかることも多いですし、そもそも「トライ&エラー」を前提にしている作りです。
せっかく良いストーリーなので、そこはもったいないかなと。
パズル部分もストーリーと密接な関係があるので大事なのですが、なにかしらの救済措置があった方が良かったかもしれません。
プレイ状況
ソフトウェア | パッケージ版 |
プレイ時間 | 約12時間 |
『ゴースト トリック』の総合評価・レビュー
DS版が発売された当時、気になりつつも見送っていた作品です。
そうこうしているうちに価格が高騰し、なかなか手を出せずにいました。
今回リマスター版が発売され、念願の『ゴースト トリック』を遊ぶことができました。
13年前の作品ですが、テーマ性やゲーム性は今でも十分通じますし、キレイなグラフィックになって動きも滑らか。
オススメの傑作だと思います。
ストーリーに関してはネタバレ厳禁です。
実際これは本当に、気になる人はぜひネタバレを見ずにクリアしてほしい作品です。
レビュー
総合評価 | |
シナリオ | |
操作性 | |
システム | |
キャラクター | |
ビジュアル | |
音楽 |
妻からもちょっと言わせてもらいます
上記の夫・みなとレビューにある通り、ストーリーも良く、仕掛けも楽しいものでした。
キャラクターも濃く、印象的で、なめらかに自然に動くキャラクターたちに驚くこともありました。
しかし、ゲームの本筋であるパズル要素がどうも遊びにくかったです。
「一度動くと元に戻ってくれない仕掛け」や「そこに移動してしまうと戻れない仕掛け」などがあり、始めからやり直すことが多かったです。
どんな仕掛けになっていて、どう動くかはやってみないとわかりません。
それなのに、動かすと戻れないというのは初見殺しでもあります。
なので「一手戻る」があると、遊びやすかったです。
また、登場人物が動くと、主人公「シセル」も動けたり、登場人物が仕掛けの一部だったりするので、「登場人物がどの時間にどのように動くか」がわかると遊びやすかったです。
時代と共に遊びやすくなってきているので、当時としては致し方なかったのかな、とも思います。
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