評価:4.5
今日のレビューは、Switch『シンキング シティ』。
購入したのはSwitch版のデラックスエディションです。
本編に加え、「慈悲深い狂気」と「ネクロノミコン」の2つのDLCが付属しています。
『シンキングシティ』は、『クトゥルフ神話』(ラヴクラフトの恐怖小説群)を題材にした、オープンワールドホラーアクションアドベンチャーゲームです。
主な良かった点
- 作りこまれた街・舞台設定
- 「探偵してる感」が強い
- NPCの狂気っぷり
主な不満点
- 操作性が良くない
- 人を殺したくはなかった
それでは、詳しく書いていきます。
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目次
概要
ゲーム内容
主人公は、私立探偵のチャールズ・リード。
自身の幻覚症状の原因を究明するため、オークモントという街にたどり着きます。
街の中はシームレスにつながるオープンワールド形式。
ただし、建物の中に入る時やイベント発生の際はロードが入ることも多いです。
街に点在する電話ボックス間をファストトラベルで移動できます。
オートセーブです。
操作方法
今作は三人称視点の、アクションアドベンチャー形式です。
バトル要素もあり、銃や近接攻撃、手りゅう弾などで戦います。
カメラ操作の反転や、難易度変更も可能です。
難易度は「謎解き」と「バトル」個別に設定できます。
謎解き
主人公は探偵としての能力だけではなく、「心の眼」という超能力で事件を追うことができます。
- 痕跡を追う
- 事件時の状況を再現する
- 隠された扉や物品を見つける
といった力が使えます。
また、現場に残された証拠や手掛かりになるメモなどを使い、「新聞社」や「警察署」などの施設から資料を見つけ、該当する場所へ赴いたりもします。
水没した街
オークモントは、洪水が起きて孤立した街。
街のいたるところが水没していて、小舟で行き来しないとならないところもあります。
泳ぐこともできますが、水路には凶暴なウナギが生息しており、長い時間水に浸かっていると攻撃されてしまいます。
バトル要素
探偵としての探索・捜査がメインのゲームですが、バトル要素もあります。
オークモントには得体のしれない怪物が出没するので、撃退しないと満足に探索できません。
普通の民家でも人が住まなくなった場所には怪物がいる場合もありますし、路地でも危険区域があります。
怪物を倒したり、事件を解決したりすることで経験値が貯まり、スキルを開放することができます。
所持できる弾薬や素材が増えたり、体力や正気度が増えたりします。
「正気度」は、怪物と戦っていたり、おぞましい現場に遭遇したり、心の眼を使い続けていると減少します。
減少すると幻覚を見るようになり、ひどい時には幻覚に攻撃され、死んでしまうことも。
マルチシナリオ
事件ひとつひとつについて、証拠や分析などから最終的に導く結論は、ある程度プレイヤーに委ねられています。
そのため、章ごとに異なる展開・結末を見ることができます。
さらに、ラストも展開が異なるマルチエンディング。
こちらは、エンディング後に再開することで最終選択直前から再開になるので、全エンディングを簡単に見られます。
良い点
作りこまれた街・舞台設定
オークモントで暮らす人たちは、狂気にさらされながらも生活があり、社会があり、しっかりと文化が築かれています。
街には権力者がいて、市役所があり、大学や図書館もあります。
クトゥルフ神話的なおどろおどろしい雰囲気もありますが、そういった文化的な要素も今作の魅力。
- インスマス人という魚顔の人たちも暮らしていて、人種を巡る問題もあり
- 独自の宗教観や呪術的なエッセンス
- 街のエリアや、住民の貧富に差によって暮らしている家の装飾に違い
- 洪水を始めとした街の歴史
- お金は使わず、弾丸や物資で取引をする
こういった背景をしっかりと作り、イベントや文書などにも反映させています。
「探偵してる感」が強い
メインストーリーもサイドクエストも、基本的にやることは「目的地に行き、そこにいる人物と話す or アイテムを得る or 怪物を倒す」。
この「目的地に行く」という部分が、非常に探偵的。
今作には「目的地ナビ」のようなマーカーが自動表示されず、自分で地図にマーカーを打つ必要があります。
手掛かりに記された街道から目的地を割り出し、そこにマーカーで当りをつけて、自分の足で向かってみる。
という方法で攻略していきます。
手掛かりに必ずしも街道が記されているとは限らず、物によっては資料のある施設におもむき、そこで資料を検索して目的地を探す。
というパターンもあります。
- 記事や広告に関することなら「新聞社」
- 犯罪や通報に関することなら「警察署」
- 市民や企業に関することなら「市役所」
といった具合に、扱う手掛かりによって、どこの施設で資料を検索するかも考える必要があります。
今作に、とてもマッチしたシステムだと感じました。
豊富なコスチューム
拠点となる宿では、コスチュームチェンジができます。
衣装はイベント進行などで手に入ります。
種類も多いですし、それぞれの衣装のクオリティも高いです。
絶対着ないだろ!っていう衣装もありますが。
NPCの狂気っぷり
「普通に生活している」とは書きましたが、なんてことない日常に狂気が見え隠れしているのも、今作の特徴的な部分。
街では明らかに常軌を逸した格好の人間がうろついていますし(別に敵ではない)、家から怪物が登場したのに平然と歩く人々や、ゴミやら死体やらが浮いている川で普通に釣りをしてる人もいます。
でもこの雰囲気こそ、今作の大きな魅力の1つです。
不満点
操作性が良くない
操作性に関しては、あまり褒めたものではありませんでした。
- バトルは銃がメインになりますが、当てづらい
- 水路を移動するボートは操縦が難しく、建物にハマると泳ぐ必要が出てくる
ただし長時間泳ぐと、ウナギに喰われて死ぬ - ダイビングスーツで海底を歩くパートは、全てにおいて操作しづらい
敵は倒せないし移動は遅いし回復もできないしで、ストレスMAXでした。
人を殺したくはなかった
イベント中、回避の仕様もなく怪物ではない人間に襲われるシーンがあります。
最序盤からあります。
問答無用です。
応戦して殺さないとイベント進行しないので仕方ないのですが、探偵ですし話し合いで解決できなかったのか。
と思うところもありました。
そっちはまだわかる。
あと、殺した人間が怪物と同じように溶けて消滅するのは違和感バリバリでした。
その他の不満点
- ロードが長い
- しゃがんでも敵にバレバレ
- 部屋の間取りやモブの顔など、使いまわしが非常に多い
- 地図では行けるように見えて、実際は建物でふさがっている通りがある
分かるように地図に記してほしかった - 建物の外に怪物を誘導して倒していたら、通りすがりの警官に発砲された
撃つのはこっちじゃないでしょ!? - ウナギはいらない
プレイ状況
ソフトウェア | ダウンロード版 |
プレイ時間 | 約40時間 |
購入した追加コンテンツ | 慈悲深い狂気 DLC ネクロノミコン DLC ともにデラックスエディションに付属 |
総評
操作性は悪いわ、出てくる怪物は気色悪いわ、そもそも不親切だわ。
で、人には全くもってオススメしづらい作品。
でも個人的にはとても楽しかったですし、とても好きな作品です。
探偵らしく探索・調査できますし、クトゥルフ神話的な雰囲気も抜群。
難易度変更はできますし、アクションが苦手でもなんとかなると思います。
クトゥルフ神話好きで、多少めんどくさくても構わない。
という人はプレイしてみても良いと思いますよ。
レビュー
総合評価 | |
シナリオ | |
操作性 | |
システム | |
キャラクター | |
ビジュアル | |
音楽 |