評価:4
今日のレビューは『カリギュラ2』。
2016年に発売されたRPG『カリギュラ』の続編です。
新たに登場したバーチャル空間「リドゥ」を舞台に、二代目「帰宅部」がリドゥ脱出のために奮闘します。
登場人物が異なるため前作をプレイしなくても大きな問題はありませんが、前作プレイ済みの方がより楽しめる内容です。
主な良かった点
- 等身大のキャラクターたち
- 音楽の使い方が良い
主な不満点
- 3Dモデリングが残念
- ダンジョン攻略に時間がかかる
プレイしたのはSwitch版です。
ストーリーに関わるネタバレはありません。
-
カリギュラ オーバードーズ 感想・レビュー byみなと / 粗はあるけど良デザイン、ボカロ好きに刺さる!
PS4版『カリギュラ オーバードーズ』の通常ルートをクリアしました。良いところと、そうでないところがそれぞれ尖った意欲作。
スポンサーリンク
目次
概要
ゲーム内容
シナリオ
『カリギュラ2』の舞台は、仮想空間「リドゥ」。
前作の事件の後、謎のバーチャドール(バーチャルアイドル)の「リグレット」が創造した世界で、現実世界で強い後悔を抱いた人間の精神がここで生活しています。
精神だけ仮想世界にいる扱いなので、現実での肉体は眠り続けているような状態です。
リドゥ内では、主に「やりなおしたい年齢」の見た目になるため、現実よりも若い年齢の姿で生活しています。
リドゥの中にいる多くの人は、リドゥの中にいるとは気づいておらず、現実だと思って生活しています。
「本物のバーチャドール(前作の「ミュー」や「アリア」と同じ会社が製作した製品)」である「X(キィ)」がこの世界に侵入したことにより、主人公をはじめとする一部の人間が「偽物の世界」に気づき「帰宅部」を結成し、元の世界に帰ることを目指す。
というのが大まかな流れです。
敵として立ちはだかるのは、リグレットに楽曲を提供する「オブリガードの楽士」たち。
前作にあった「楽士ルート」は、今のところ実装されていません。
バトルシステム
バトルは前作同様のコマンドバトル。
技を使う時に、味方と相手の動きを予測して表示する「空想視(イマジナリーチェイン)」というシステムが特徴的。
空想は絶対ではありませんが、この空想をもとにコンボを調整して戦うことができます。
今作では味方のバーチャドール「キィ」が割り込みで歌を歌う「フロアージャック」というシステムがプラスされました。
「フロアージャック」は、戦闘などで溜まる「ボルテージ」がマックスになったら発動可能な能力で、
- 使った瞬間、味方全員にターンが回る
- スキルのヒット数が増える
- スキルの待ち時間が減る
などの効果がある、一発逆転の大技です。
良い点
等身大のキャラクターたち
登場するキャラクターは、敵も味方も印象的でした。
それぞれが抱える後悔やトラウマも、かなりリアルかつ重く、心が揺さぶられるものでした。
メッセンジャーアプリでのやり取りも、個性が出てて良いです。
キャラクター固有のエピソードは、1つ1つが長すぎず、キャラの内面に踏み込む内容でした。
音楽の使い方が良い
前作と同様、楽曲の使い方は特徴的でおもしろかったです。
ダンジョンでは、ボスとして登場する学士が作曲した曲が流れます。
作曲はそれぞれ別のコンポーザーが割り当てられていて、多くはボカロPとして有名になった人です。
- ダンジョン攻略中はインストゥルメンタル
- 敵と戦っている時は歌アリ
- ボス戦ではReMix版
といった感じに、その曲をバッチリ楽しめるようになっています。
歌っているのはリグレットです。
これは非常に燃えるし、大好きな仕様でした。
良い演出です。
さらに「フロアージャック」を発動すると、あらかじめ設定した曲を味方キャラのキィが歌い、リグレットの歌をかき消します。
まさに「場を掌握した」と言えるシステムで、作品のコンセプトとも合っていて感心しました。
フロアージャックで歌う場合、曲の流れをぶった切ってサビから入ります。キィらしい。
良曲ぞろい
楽曲自体も良曲ぞろいでした。
全体のサウンドは増子津可燦さん。
この方は「増子司」名義で、『デビルサマナー ソウルハッカーズ 』までの『メガテンシリーズ』の楽曲を手掛けていた作曲者です。
そして各楽士の曲を作曲したのは、
- kemu(堀江晶太)
- Ayase
- ポリスピカデリー
- かいりきベア
- ぬゆり
- Neru
- ツミキ
- cosMo@暴走P
- sasakure.UK
です。(敬称略)
クエスト進行をしやすくなった
前作で面倒だったクエストは、今作はかなりスッキリした印象です。
細かいクエスト全てクリアするのは大変ですが、今作は「連作」とも言えるクエスト群があり、それらを進めるだけでも十分楽しめます。
ちなみに連作系のクエストは進行に特定の装備品(スティグマ)が必要で、全てを最後までクリアするには最終ダンジョンの攻略まで進める必要があります。
前作と違いモブキャラを戦闘に参加させるシステムがなくなったので、よりスッキリしました。
不満点
3Dモデリングが残念
これでも前作よりかなりマシになっていますが、3Dモデリングはあまり良くありません。
戦闘中もイベント中も、無表情で人形のようなキャラのやり取りになってしまっています。
顔グラフィックやボイスが良いだけに、もったいないところ。
3Dでの表現力を、もっと上げてくれたらなと思いました。
ダンジョン攻略に時間がかかる
前作より単調さは抑えられましたが、やっぱり長いダンジョン攻略。
序盤は戦闘が長引きがちですし、同じ曲がずっと繰り返されます。
曲に飽きる手前くらいでクリアできる長さが良かったですが、人によりますかね。
戦闘バランスが大味
タイミングを調整しながらのバトルは、戦略性もあって好みでした。
うまくカウンターやブレイクを決めれば、大きくレベルが離れている相手でも勝てるので、勝利した時の達成感も大きいです。
ですが「フロアージャック」を簡単に発動できるようになる中盤以降は、戦略など無視してジャックしてしまえば良くなってしまいます。
そのくらい強力。
でもフロアージャックを使わなかったら戦闘難度はずいぶん上がるので、やはりバランスは良くないと思いました。
その他の不満点
- 収支のバランスが悪く、お金が余る
- 別エリアにワープするのに、いちいちキィトレインに戻る必要がある
- サブクエスト進行のためにスティグマを付け替えるのが面倒くさい
気になった点
キィの歌に関して
戦闘時に流れているリグレットの歌。
「フロアージャック」でキィの歌に塗り替える仕様は、良いと思います。
明るく快活なキィの声で、場の空気が一変するのも良かったです。
キィの歌い方が「バカっぽい」のです。
キィの声は好きですし、キャラクターに愛着はありますし、システムのコンセプトも良いのです。
が、演出の要求がそうだったのか、頭が悪そうな歌い方になってしまっているのが気になってしまいました。
スペースシャトル・・・?
どっちかと言うと「サターンV」じゃない?
プレイ状況
ソフトウェア | パッケージ版 |
プレイ時間 | 54時間 |
所持しているサウンドトラック | Caligula2-カリギュラ2- オリジナルサウンドトラック |
シリーズのプレイ状況(みなと) ※記事作成時点 |
カリギュラ オーバードーズ(PS4) |
『Caligula2(カリギュラ2)』の総合評価・レビュー
前作からパワーアップした点・改善した点は多く、とても遊びやすい作品になりました。
今作から始めても大丈夫な内容ではありますが、前作の人物や事件の話題も少なくないので、可能であれば前作からプレイするのを推奨します。
その場合、メインストーリーとキャラクターエピソードのみを集中してプレイし、サブイベントは無視でも良いかと思います。
これでグラやバランスも良ければなぁ。とは思いますが、十分オススメできる作品です。
レビュー
総合評価 | |
シナリオ | |
操作性 | |
システム | |
キャラクター | |
ビジュアル | |
音楽 |
-
カリギュラ オーバードーズ 感想・レビュー byみなと / 粗はあるけど良デザイン、ボカロ好きに刺さる!
PS4版『カリギュラ オーバードーズ』の通常ルートをクリアしました。良いところと、そうでないところがそれぞれ尖った意欲作。