『GRAVITY DAZE 2(グラビティ デイズ 2)重力的眩暈完結編:上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収斂した選択』をクリアしたので、レビューします。
主人公は、重力を操る重力姫「グラビティ・キトゥン」。
空中都市などのオープンワールドマップを立体的に動き回る、アクションアドベンチャーです。
主な良かった点
- 広大なオープンワールド
- バリエーション豊かなサイドミッション
主な不満点
- 荒ぶるカメラ
- 唐突で、かっ飛ばしぎみのシナリオ
ストーリーの重要なネタバレはありません。
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概要
初回限定版のセット内容
今回、購入したのは初回限定版でした。
まずは、そのセット内容を見ていきます。
豪華収納BOX
キトゥンが表紙ですが、裏側にはクロウが。
一見、タイトルが見えませんが、光に当てると、タイトルが反射されて見え、上にはサブタイトルが書いてあります。
かっこいい。
スペシャルアニメーション
スペシャルアニメーション Blu-rayディスク(17分)が、付属しています。
前作と今作の間のお話。
このスペシャルアニメーションは過去にテレビ放映されたもの。
しかし、地域限定だったため、私たちは観ることができませんでした。
(その後放送されたかもしれないけれど・・・)
今回、初めてそのアニメを見たのですが、作画がうまく、キトゥンの可愛さや人格がよくわかる作りでした。
またグラヴィティ語と日本語の音声切り替えができ、どっちもおもしろかったです。
サウンドトラック「ディレクターズチョイス」
サウンドトラックのダウンロードコードが付属しています。
9曲入っています。タイトルは以下の通り。
- GRAVITY DAZE 2
- 強襲と凱旋
- 石火の獅子
- 追跡
- 亡霊都市
- 侵襲
- 燭光の域
- アンジェ
- 黒き疾風
(作曲者は1~9番全て、田中公平氏)
スペシャルコスチューム「ホワイトキトゥン」
コスチュームの「ホワイトキトゥン」のダウンロードコードが付属しています。
いつもは、黒のキトゥン。
今作の登場人物に合わせ、白のキトゥンになることが可能。
黒も白も素敵。
まぁ、私はネコになってるんだけれどね。
ゲーム内容
キトゥンの重力操作の基本をおさらいします。
まず、R1ボタンで自分と周囲を無重力状態にする。
その後、カメラを回転させ、一点を指定すると、その方向に「落ちる」。
落ちた先に壁やパイプがあれば、そこに立てます。
キトゥンにとってその一点が「下」に定義されるのです。
前作との変更点
前作と今作で、変更されている点をわかる範囲で紹介します。
マップのサイズとグラフィック
マップのサイズが前作の2倍以上。そしてグラフィックも、よりキレイに。
フォトモード
SHAREボタンを押して、スクショを撮ることは、もちろん可能。さらに「フォトモード」が増えました。
2章から使用可能になります。
「十字キーの上ボタン」を押すことで起動。
キトゥンがカメラを持って撮っているので、こんな感じの写真になります。
さらに、L1ボタンで、このように三脚を立てて撮影することが可能。
オブジェクトを置くこともできるし、レトロ調にも撮影ができます。
また、とあるサブクエストをクリアすると人物スナップのコレクションが開放。
お題の人物を捜し出し、写真を撮るようです。
ジェスチャーの追加
十字キーの下ボタンを押すと、ジェスチャーをします。
もちろん、カメラの前でもジェスチャーができます。
ジェスチャーは8種類20種類。
短いのもあれば、長いのもあります。
ジェスチャーが使えるのも2章に入ってから。
重力グラブの機能アップ
そこらへんにあるものを無重力にし、投げて攻撃する重力グラブ。
前作では、なかなか使いにくかったですが、今作では改善されています。
着地のまま使えるし、遠くまで投げることが可能。
そして、強い。
下のスクショは重力グラブの最中。
中央の○についている青い点の数=今、浮かせている物の数。
コスチューム
前作でもコスチュームは変更できましたが、今作では10着に増えました。
前作『GRAVITY DAZE』のセーブデータ特典のものや、初回限定版のダウンロードコードのものを足すと更に増えます。
なお、コスチューム変更は2章で解放されるフォトモードから。
一人称カメラの追加
前作では、三人称カメラが主で、一人称(主観)カメラは、止まっている時のみ。
つまり、なにかを見渡すとき用でした。
今作では、その一人称カメラが、いつでも使えるようになりました。
十字キーの左で、切り替えられる。
三人称カメラだとこんな感じ。
一人称カメラだとこんな感じ。
ただし、戦闘中は見にくいので、戦闘中以外がオススメ。
チューン
ストーリーを進めると、新たな力「ルーナチューン」と「ユピトールチューン」を得ます。
「ルーナチューン」は軽くなる力。
月面を歩いているようなフワフワとした挙動で、ジャンプ力が高くなります。
「ユピトールチューン」は重くなる力。
移動は遅くなるが重力は強くなり、攻撃力が高くなります。
それぞれの「チューン」では、重力グラブや重力スライド、重力キック等、様々な能力が通常の状態(アンチューン)とは異なります。
入手時のダンジョンをクリアすれば、タッチパッドのフリックで各チューンを切り替えられます。
慣れるまで扱いが難しい「チューン」だが、ゲーム性を大きく変える新要素。
さらに、ゲーム終盤では「必殺技」とも言える強力な能力を得ます。
部屋の模様替え
第三章では自宅の模様替えができるようになります。
家具の入手はサイドミッション等で。
「模様替え」といっても、家具の位置までは指定できません。
ネットワークを利用してできること
フォトレビューへの投稿と評価
十字キーの上ボタンで、フォトモードを起動。
タッチパッドボタン(右側)を押すと、「フィルム画面」になり、さらに○ボタンを押して、写真を選択した後にOPTIONボタンで写真を投稿できます。
どんな評価でも、評価されるとダスティトークン、5ポイントがもらえます。
また、フリータイム(ミッションを行っていない状態)で、街を散策していると、他のプレイヤーの青いゴーストを見つけることができます。
それに近づき、□ボタンを押すことで、他のプレイヤーが撮った写真を「いい感じ」か「まぁまぁ」のどちらかで評価できます。
どちらの評価にしても、ダスティトークン、2ポイントがもらえます。
なお、メニューの「システムメニュー」→「フォトモード設定」から、自動で投稿するかどうかを設定できます。
トレジャーハンティングの送受信
トレジャーハンティングの情報が届くと、お知らせ一覧に載ります。
それを開き、○ボタンを押すと、トレジャーハンティング開始。
宝箱の近くに自動で移動。
他のプレイヤーが撮った、写真の風景から宝箱の場所を読み解くミニゲームで、宝箱にはレアアイテムが入っています。
宝箱に近づくと、音が鳴るので、参考になるかと思います。
獲得後、トレジャーハンティングのヒント写真を撮って、他のプレイヤーに送ることができます。
(注:宝箱から離れ過ぎると、ヒント写真を撮れなくなります。キャンセル扱いとなり、空の宝箱は消えてしまいます)
ヒント写真を送信すると、ダスティトークン3ポイントがもらえますが、その写真を使って、他のプレイヤーが宝箱を発見すると、20ポイントものダスティトークンがもらえます。
なお、トレジャーハンティングの制限時間は受信してから、12時間です。
(注:ストーリーやサブクエスト中では、受信していても表示されません。時間は経過していきます。)
トレジャーハンティングを開始せずとも、自力で宝箱を発見することもできます。
その場合でも、宝箱を開けた後、ヒント写真を撮れます。
チャレンジミッションの挑戦状とランキング
チャレンジミッションのリザルト画面で「挑戦状を送る」を選ぶと、フレンドや他のプレイヤーに「挑戦状」を送ることが可能に。
「挑戦状」を受け取った相手がそのミッションに挑戦すると、結果に応じてダスティトークンをもらえます。
自分に届いた場合は、「お知らせ一覧」に表示されます。
採掘場の情報を他のプレイヤーと共有
キトゥンを強化するのに使う「プレシャスジェム」を集めることができたり、敵と戦うことができる採掘場。
この採掘場での「採掘可能な量」や「重力微子濃度」を他のプレイヤーと共有できます。
多くのプレイヤーが採掘を行うと、採掘場の状況が早く変わってきます。
特殊な採掘場での遭難情報が届く場合も。
この採掘場、ゲームオーバーになると、最初の位置に戻りますが、プレシャスジェムは獲得したままの状態になります。
ありがたい。
そもそも”ダスティトークン”とは
オンラインでのご褒美としてもらえる、ダスティトークン。
これを集めると、様々なアイテムがもらえます。
アイテムの内容は「メインメニュー」→「システムメニュー」→「統計情報」で確認可。
内容はフォトアイテム、ジェスチャー、コスチューム、タリスマン。
10種類あり、全部集めようとすると、21910ポイント。
気が遠くなりそうな数字。
良い点
広大なオープンワールド
第二章で行けるようになる空中都市「ジルガ・パラ・ラオ」。
前作の舞台「ヘキサヴィル」と比べると、浮いている小島が大小無数にあり、縦に非常に広い。
最も高い場所にある「不思議なマンホール」から、最も低い場所にある「不思議なマンホール」まで「1197y」(ヤードかな?)。
縦割りの四層構造になっており、貧富の差もほぼそのままの構図です。
全体的に開けており、空は青く、商業地は賑やかで明るい。
第三章では前作の舞台「ヘキサヴィル」に戻る。
前作そのままの広さなため、合計するとかなりの広さを誇ります。
「ヘキサヴィル」は大きく4つの街が横に広がっていて(端から端まで約「1000y」)、一つ一つの街は比較的入り組んでいます。
キトゥンの能力で広大なオープンワールドをギュンギュン落ちるのはとても爽快。
広いからといって移動が大変というわけではなく、発見した「不思議なマンホール」同士は繋がっていて、ワープが可能です。
クロウとの共闘
キトゥンの仲間、「グラビティ・クロウ」。
実現できるシーンは限られるが、彼女と共闘できます。
2人で重力キックを放ったり、素早く見張りを倒したり、トドメも2人で刺したり・・・。
カッコいい「クロウ」との息の合ったコンビネーションを堪能できます。
クロウが主人公のダウンロードコンテンツは、3月に配信予定。
また、本編中にも少しだけですが、クロウを操作できる場面があります。
やっぱり可愛いキトゥン
とても素直で、正義感があって、共感したり応援したくなる、魅力的なキトゥン。
今作でもその愛らしさは健在で、仕草1つ1つも実にカワイイ。
作中での扱いの悪さも相変わらず。
バリエーション豊かなサイドミッション
「○○を何体倒せ」や「○○を持ってこい」といったお使いはほぼなく、どのサイドミッションも個性的でした。
写真を撮る、レースをする、ビラを配る、スタントをする、聞き込みをする、特定のポーズをとる、といったミッションがある。
カッコいい音楽
初回特典でサウンドトラック9曲のダウンロードコードが付属していたが、もう何度も聞くくらいお気に入り。
どれもカッコよく、今作の雰囲気を壊さない、良曲揃い。
クセになる「グラビティ語」
今作の言語は「グラビティ語」というオリジナル言語。
おそらく何か法則性を持って作成・翻訳されているのだと思いますが、結構クセになる、耳に残る言語です。
「アノシロ?(疑問系のセリフによく聞く)」
「ドゥーガー!(扉を開けよ)」
不満点
荒ぶるカメラ
足を踏み外したり、移動中や戦闘中など、ちょっとした操作でグワングワンカメラが動く。
そもそもカメラがキトゥンに近いこともあり、どこにいるのか、どちらを向いているのか、すぐに分からなくなります。
人にもよりますが、妻にはクリティカルヒットしてしまいました。
特に「ルーナチューン」発動時のフワリとした感覚が、三半規管を攻撃します。
対策としては、設定画面でカメラの感度・スピードを調整。
Rスティックを押しこむ(R3ボタン)とカメラリセットするので、それを細かく行い水平を保つ。
カメラの近さはどうにもなりませんが。
唐突で、かっ飛ばしぎみのシナリオ
「完結編」というだけあり、前作で未解決だった多くの部分が判明し、物語をキチンと終わらせています。
ですが、そこに至るまでの、話の持って行き方が強引で唐突。
1つ1つの話は良いことを言っているし、考えさせられるものですが、繋げ方が無理矢理。
ちゃんと掘り下げをせずに話を進めてしまうので、置いて行かれがちです。
「アイツはどうなった?」「結局アレは何だったの?」「あの話はこれで終わり?」
これらは続編で回収するほどの問題でもないので、ただただ消化不良になるだけの部分です。
ネタバレになるので詳しくは書きませんが、ラスボスもポッと出感がある。
ラストバトルの演出はかなり好きですが、ボスとの因縁と、それを示唆する描写が薄いため、微妙に感情移入できませんでした。
ちなみに今作は、「スタッフロール」が2回あります。
1回目の「スタッフロール」が終わった後、ストーリーミッションを進めるためには、街を見て回り「・・・」のマークを消化する必要があります。
やたら難しい一部ミッション
各種「チューン」の取得ダンジョンは、慣れていないところに高度なテクニックを要求されるため、難度が高いです。
特に「ユピトールチューン」取得時の重力スライドの場面は、「ノーダメージ」がクリア条件のため、非常に難しかったです。
ストーリー上必ずやらなければならないため、飛ばすこともできません。
サイドミッションでも理不尽難度のものがあります。
「酔っぱらいを入店拒否するミッション」がその最たるものかと。
どの店に入るかわからない「酔っぱらい」に先回りして入店拒否するのですが、これが凄いスピードかつフェイントも使う。
さらに、別の酔っぱらいに絡まられると、一定時間操作不能。
システムメニューの「難易度設定」は、戦闘の難易度のことですし、この辺りの難しさは変わらないと思います。
プレイ状況
ソフトウェア | パッケージ版 |
プレイ時間 | 54時間 |
購入した追加コンテンツ | Alternative Side :時の箱舟 - クロウの帰結(無料) |
所持しているサウンドトラック | 特典サウンドトラック「ディレクターズチョイス」 |
シリーズのプレイ状況(みなと) | GRAVITY DAZE (PS VITA) |
トロフィー 状況 | 40% |
トロコン 難易度 | かなり難しい |
総評
和製のオープンワールドゲームとしては、かなりの完成度を誇る今作。
魅力的なキャラクターと、楽しいオンライン要素で、十分満足がいく。
ただ、展開を急ぐあまり丁寧さを欠くシナリオ。
近い上に暴走するカメラ。
これらは納得いかないし、勿体ない部分でした。
そりゃ、明るくて楽しくて、ゲームとしては好きなマップですが。
レビュー
総合評価 | |
シナリオ | |
操作性 | |
システム | |
キャラクター | |
ビジュアル | |
音楽 |
妻からもちょっと言わせてもらいます
3D酔いが治まらず、ルーナチューンができるようになったら、さらにひどくなり・・・。
結局、プレイを断念せざるをえませんでした。