優しさあふれる、可愛らしい「新たな」カービィ。
Wii『毛糸のカービィ』をレビューします。
今作は『星のカービィ』シリーズですが、これまでとは全く毛色の異なるゲームです。
『カービィボウル』や『あつめて!カービィ』と同じく、派生作品です。
開発元である、グッド・フィールは『毛糸のフラッフ』というゲームを開発していましたが、開発が行き詰まり、企画自体危うくなってきたところに、任天堂から「カービィで作ってみないか」と提案があり、今作が生まれたそうです。
「フラッフ」はストーリーに登場し、2Pキャラとして操作可能です。
2019年3月7日に3DS『毛糸のカービィ プラス』が発売されます。
今回は、そのオリジナル版にあたる、Wii『毛糸のカービィ』のレビュー記事をリニューアル(リライト)しました。
2016年11月30日に公開した当時に感じた感想を残しつつ、読みやすく、わかりやすい記事にしました。
それでは、どうぞ。
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目次
概要
ゲーム内容
「アミーボ・アモーレ」という悪者に、毛糸の世界に連れてこられてしまった、カービィ。
そこで出会った毛糸の国の王子「フラッフ」と共に、バラバラになった毛糸の世界を元に戻す旅に出ます。
毛糸の世界では、キャラクターは全て毛糸で構成。
カービィの体も毛糸で、毛糸ならではのアクションができます。
今回のアクション
カービィと言えば「すいこみ」「コピー」「ホバリング」ですが、今作にはありません。
体を構成する毛糸を敵に「ひっかけ」、敵をほどく。
もしくは、敵を巻き取り「毛糸玉」にし、その「毛糸玉」を敵に投げつけたりできます。
ダッシュすると車に変身。
空中で下を押すとオモリに変身ができ、攻撃ができます。
空中でジャンプボタンを押すとパラシュートに変身し、水中では潜水艦に変身します。
ステージによっては「メタモルリング」というものがあり、それを取るとそのエリアに合った姿へ変身ができます。
イルカや、巨大ロボットなどさまざま。
ステージ構成
ステージは選択制で、基本的には、左から右へと進む2Dアクションです。
仕掛けを解きながら、敵を倒し、収集物(家具やCDなど)を集めながら、ゴールを目指します。
キルトのまち
拠点となる「キルトのまち」では、さまざまなお楽しみ要素があります。
- 自室の模様替え
- 音楽鑑賞
- ミッションの受注
- 買い物
- 家具の柄を変更
などなど、息抜きができます。
良い点
優しく柔らかな毛糸の質感
カービィをはじめとする、今作の登場キャラクターは、毛糸で表現されています。
収集物はビーズで、ステージそのものも布や糸などで作られています。
ステージ ギミック も、そんな布や糸、綿などの特性を活かした作りで感心します。
手芸屋さんに行けば揃うような素材でできていて、親しさや温かみ、優しさや柔らかさを感じられるグラフィックです。
リアル志向とは一線を画する、Wiiの表現力で提供できる一つの「答え」だと感じました。
誰でもクリアできる
今作には、ゲームオーバーがありません。
なんと、ダメージすらないのです。
穴に落ちても、死んだりしません。
時間制限もありません。
ボス戦でも同様です。
つまり誰でも「ゲームクリア」は可能なのです。
じゃあ、つまらないのか?というと、そんなことはありません!
敵の攻撃に当たったり、穴に落ちたりすると、集めた「ビーズ」をばらまいてしまうのです。
この「ビーズ」をどれだけ集められたかで、得られるコレクションが変わりますし、「ビーズ」自体もお金のように使えます。
また、ステージには「生地」や「CD」なども隠されており、それらを集める楽しみもあります。
高難易度の「ミッション」
カービィの自室があるマンションの他の住民から「ミッション」が受けられます。
この「ミッション」は、本編の簡単さに反し、やり応えのある高難易度なもの。
本編で物足りない人でも、満足できる難易度だと思います。
やたらシビアな操作が求められる「ミッション」も多いので、人によってはツライかも。
かわいくて美しいBGM
カービィらしさを残しつつも、今作にふさわしい優しさあふれるBGMの数々。
基本的にはピアノがメインの楽曲が多く、とてもかわいく美しいです。
しかし、CD販売がされていません。
惜しい点です。
不満点
ゲームとしての「カービィらしさ」が薄い
キャラクターやBGMは『星のカービィ』シリーズの要素を取り入れていますが、アクションゲームとしての「カービィ」らしさは薄いです。
上でも述べたように、「すいこみ」がない。「コピー」ができない。「ホバリング」がない。
そのあたりは当然のように「ある」と思ってプレイをし始めたので、拍子抜けしてしまいました。
それ以外の部分で作り込みはされているので、だんだん気にならなくなりますが。
プレイ状況
ソフトウェア | パッケージ版 |
プレイ時間 | 不明 |
シリーズのプレイ状況(みなと) ※記事作成時 |
星のカービィ(GB) 星のカービィ 夢の泉の物語(FC) カービィのピンボール(GB) カービィボウル(SFC) 星のカービィ スーパーデラックス(SFC) 星のカービィ64(N64) 星のカービィ 鏡の大迷宮(GBA) 星のカービィ 参上! ドロッチェ団(DS) 星のカービィ ウルトラスーパーデラックス(DS) あつめて!カービィ(DS) 星のカービィ Wii(Wii) 星のカービィ トリプルデラックス(3DS) みんなで!カービィハンターズZ(3DS) 星のカービィ スターアライズ(Nintendo Switch) |
総評
Wiiは、同世代の他のゲーム機(PS3やXbox360)と比べて、「グラフィックの精細さに欠く」と言われています。
実際、見劣りする部分は多いです。
しかし今作では、布の質感や糸の柔らかさ、ビーズのキラキラ感などが、見事に表現されています。
と感動しました。
ゲームとしてはとても簡単なので、お子さんやアクション初心者にオススメです。
長年の「カービィファン」には不評かもしれませんが、個人的には良作だと思いますし、お気に入りの作品です。
レビュー
総合評価 | |
シナリオ | |
操作性 | |
システム | |
キャラクター | |
ビジュアル | |
音楽 |
妻からもちょっと言わせてもらいます
たくさん発売されている、カービィシリーズ。
しかし、私は今までプレイをしたことがなく、今作がカービィシリーズ初プレイでした。
プレイしてみると、カービィの可愛さがよくわかりました。
そして、毛糸やボタンなどで構成された、ステージの可愛さに、夢中になってプレイしました。
また ギミック がおもしろく、
と思いながらプレイしていました。
手芸好きでも、苦手でも、その可愛さやギミックのおもしろさに、ハマるはずです。
例えばコレ。
左に行きたいけれど、敵がいます。
そこで、左にある赤いボタンを引っ張ると・・・。
ほどけて、敵が落ちて行きました。
こういった「ならでは」のギミックがとても感動しました。
どうして発売しなかったのか。
大人の事情でしょうか。
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ヨッシークラフトワールド 感想・レビュー byとも / 工作の世界で大冒険が楽しい!
「子ども向け」とひとくくりにはできません。ギミックや、やり込み要素も充実していて、子どもも大人も大満足のゲームです。