今回のレビューは、『LA-MULANA(ラ・ムラーナ) EX』。
元々は、2006年に出たWindows用のフリーゲームです。
その後、2011年にリメイク版がWiiウェアで発売。
VITA 版の今作は、そのさらにリメイクとなります。
今作のグラフィックは ドット絵 に徹底されており、スーパーファミコンのゲームのような雰囲気です。
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目次
概要
ゲーム内容
主人公は、考古学者のルエミーザ=コスギ博士(以下、博士)。
忍者の末裔らしい。
知恵と身体能力とパソコンを駆使して、古代遺跡「ラ・ムラーナ」に挑みます。
遺跡の前には村があり、そこの長老に話を聞くところからスタート。
博士のパソコンには、村や遺跡内で手に入れたソフトをインストールすることができ、探索の助けになります。
装備品や、博士自身の体力も探索で強化されます。
遺跡探索で能力を強化する メトロイドヴァニア の要素があるゲームです。
バトル要素も強く、ボス戦もあります。
良い点
聖杯ワープとコンティニュー
遺跡内の各エリアには、一つずつ「聖杯石碑」という物が設置してあります。
「聖杯」を手に入れてから調べることで「聖杯ワープ」が可能になります。
この「聖杯ワープ」は、ボス戦を除き、いつでも「聖杯石碑」の所へ戻ってこれるスグレモノ。
また、ゲームオーバー時や、メニューからタイトルに戻った際、「コンティニュー」を選択することで、「最後に触れた聖杯石碑」から再開します。
セーブを忘れていても、無駄になる時間が抑えられることもあるのです。
これらのワープや再開の際、また全ての移動やイベントでも、ロード時間は一切ありません。
マニアックなモチーフ
- 遺跡内の様々な壁画
- 出現するモンスターやボス
- 使用アイテムや装備アイテムの数々
これらの多くは、古代文明や神話、UMAやオーパーツ等をモチーフにしています。
例えば、
- 黄金シャトル
- 魔女による悪魔召喚
- 生命の樹
- スカイフィッシュ
- 水晶ドクロ
- アヌビスと死者の書
- 牛頭と馬頭
- マハーバーラタ
- 鼻行類
などなど。
これだけの要素が一堂に会するゲームは、なかなかありません。
不満点
難しすぎる謎解き
今作の謎解きは、とにかく難しかったです。
普段みなとは、「謎解きゲームは攻略情報を調べるのを禁止」してクリアしています。
ですが、今作は中盤で解禁してしまいました。
- 一部の壁や天井は、攻撃を続けると壊すことができる
- 石碑だけではなく、壁画も調べなければフラグが立たない
- 背景のように見えるが、実はハシゴ
このあたりが、詰まった要因です。
「謎解きのヒント」も、全く違うエリアの石碑に書かれている場合が多いのです。
作動させたスイッチも、近辺ではなく遠く離れた仕掛けを解くためのものだったりします。
自由なようで、実は不自由
比較的序盤から、様々なエリアに足を運ぶことが可能な今作。
一見、自由度が高く見えます。
ですが、実際のところは違います。
例えば、
・・・あ、「鍵B」ってやつが必要なのね。持ってないや。
しばらくして・・・。
・・・おっと、「アイテムD」がないと倒せないのか。
仕方ない、調べるか。
・・・なになに?
「『アイテムD』は、「エリアE」の壁を壊すと行ける部屋にある」
そんなのパッと見、分かんないよ。
↑は、あくまで「一例」ですが、こんな具合に何も知らずに「エリアA」の探索を開始したとしても、何もできないのです。
謎解きで得られる鍵ならまだしも、「殴らないと分からない壁」がキーになっていたりすると、理不尽さを感じます。
操作性にも難あり
今作は謎解きがメインかと思いきや、アクションの技術もかなり求められます。
ボスの攻撃は強烈ですし、武器の挙動も把握しなくては満足に戦えません。
さらに、操作性も決して良いものではありません。
フワッとした独特なジャンプは、軌道修正が困難で慣性もつくので、思い通りに動かせません。
ダメージを受けた際のノックバックは激しく、着地するまで操作不能です。
理不尽なトラップ
- 前触れもなく抜ける床。
- 攻撃禁止のオブジェクト。
- 突如床がせりあがり潰される。
など、理不尽なトラップが多いです。
ひどい時には、中ボスを苦労して倒した直後、天井が落ちて即死。
呆然としていると、トロフィー「君もLa-Mulanaプレーヤー3」を獲得。
トロフィーの詳細を見ると「La-Mulana名物を食らって思わず笑ってしまった。」
・・・死んで覚えるにしても、そのポイントまで戻るのが大変なのです。
悪乗りが過ぎる
インディーズ ゲームですし、自分たちの作りたいように作っているのは、よくわかります。
それが「悪い」とは言いません。
実際こだわって作っている部分は多いと思います。
ですが、身内にしか受けないようなネタや、コアなファンにしか伝わらないようなネタを混ぜるべきではありません。
特に長老。
古代遺跡の入口を守護する長老ですが、堅苦しくなく、ゲームが趣味で、助言やメールもたくさんくれます。
最初は、
と思いましたが、
虚言メールで博士を呼び戻したり、キーアイテムを「汚ねー 器」とののしったり、「このゲームのボスはわしじゃ。嘘じゃ」といったメタ発言まで。
プレイ状況
ソフトウェア | ダウンロード |
プレイ時間 | 25時間 |
トロフィー 状況(記事作成時点) | 52% |
トロコン 難易度 | 果てしなく難しい |
総評
高難度の謎解きアクションゲームがしたい方は、良いでしょう。
非常に獲得率の低い プラチナトロフィー をねらっている方も、うってつけです。
そうでない方は、やめておきましょう。
意地でクリアはしましたが、人を選びまくりの作品です。
おもしろいところは、多々ありました。
楽しいセリフも多く、かわいいキャラもいます。
ドット絵 も凝っていますし、音楽も今作にマッチしています。
ですが、プレイのしづらさや難しさの方が勝り、個人的には楽しめませんでした。
レビュー
総合評価 | |
シナリオ | |
操作性 | |
システム | |
キャラクター | |
ビジュアル | |
音楽 |
-
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