一日を変え、一生を変えるカクテルを!
サイバーパンクバーテンダーアドベンチャー『VA-11 Hall-A (ヴァルハラ)』をプレイしました。
レトログラフィックのアドベンチャーゲームで、ベネズエラの インディーズ 開発社「Sukeban Games」の作品です。
PS4版の感想・レビューいきます!
ストーリーのネタバレなしです。
主な良かった点
- 生々しい会話
- LGBTをシナリオに盛り込んでいる
- 斬新なシナリオ分岐
主な不満点
- ミニゲームが激ムズ
- 隠しカクテル
それでは詳しく書いていきます。
スポンサーリンク
目次
概要
ゲーム内容
時は西暦207X年。
AIが普及し、人体改造も当たり前の近未来が舞台。
グリッチシティの場末にある「VA-11 Hall-A (通称:ヴァルハラ)」のバーテンダーである、ジルが主人公。
客に提供するカクテルによって、物語が分岐します。
カクテルの作り方
カクテルのオーダーがあると、カタログが表示されるのでそのレシピに沿って作ります。
ボトル以外のカクテルは、全て5つまでの原材料の組み合わせでできています。
- アデルハイド
- ブロンソンエキス
- デルタパウダー
- フラナガイド
- カルモトリン
以上の5つ。
レシピにはそれぞれどのくらいの量が必要か書いてあるので、レシピ通りに作ります。
ただし、「カルモトリン」はアルコール成分なので、カルモトリンがない=ノンアルコールになります。
「カルモトリン適量」とレシピに書いてあるカクテルは、量を増減させても完成するカクテルです。
酔わせたくない場合は入れず、酔わせたい場合は多く入れます。
材料の合計値が10以下のカクテルは、材料を倍入れることでLサイズになります。
ジルの家
今作は基本的に、バーの仕事で客の話を聞くことで進行します。
仕事が1日終わると、ジルの自宅でニュースを見たりグッズを買ったりできます。
家のパートに切り替わった時、今ジルが欲しいものが表示されます。
それを購入していないと仕事中に集中力が切れ、オーダーを覚えていない状態になります。
ただし、プレイヤーが覚えていれば問題ないです。
特定の日には所持金から生活費が引かれます。
余計な買い物をしすぎると、払えなくなってしまいます。
払えなくなった場合、ジルの集中力が切れます。
最後の支払いに失敗するとバッドエンドです(トロフィーあり)。
パーフェクトボーナスとエンディング
1日間違えずに給仕できたら、パーフェクトボーナスで収入が増えます。
ほとんどの客は普通にオーダーしてくれますが、たまに謎かけのようなオーダーをしたり、飲みたくないものをオーダーしてくる人もいます。
うまく読み取り、最高のサービスを提供しましょう。
間違えたとしても、それはそれで特別な会話を聞ける場合があります。
特定のキャラに正しく給仕をし続けると、個別のエンディングが見れたり、トロフィーを獲得できたりします。
エンディングはバッドエンドとグッドエンドが存在し、グッドエンドの場合のみ、キャラごとの個別エンディングも見ることができます。
良い点
生々しい会話
サイバーパンク の世界でありながら、その人それぞれが抱えている問題は非常にリアル。
キャラクター同士のやりとりや言葉の使い方、考え方が非常に生々しく、まさにその人物がその世界で息づいているよう。
会話のバリエーションも豊富で、カクテルの出し方が少し違うだけで新しい話題が出てくることもあるほど。
世界設定とキャラクター設定が、とてもしっかりしていると感じました。
日本語訳も、ほぼカンペキ!
LGBTをシナリオに盛り込んでいる
- レズ(自分を女性と認識していて、女性のことが好きな人)
- ゲイ(自分を男性と認識していて、男性のことが好きな人)
- バイセクシャル(男女どちらも好きな人)
- トランスジェンダー(自分の認識と身体の性別が異なる人)
いわゆる「LGBT」の人物が、今作には多く登場します。
それも、特別な扱いや迫害を受けるわけではなく、比較的普通のこととして扱われていることが好印象でした。
こういった題材を避けずに表現した点は、とても評価したいです。
この事実が、別にネタバレにならないくらい普通のこと。
斬新なシナリオ分岐
カクテルを作り、提供する。
提供したカクテルにより、シナリオが分岐する。
この方式はかなり斬新で、衝撃を受けました。
選択肢による分岐ではなく、ただのバーテンダーとしてカクテルを提供し、そのカクテルにより客の気持ちや人生が動く。
できることはカクテルを作ることだけですが、だからこそイイ。
と感じました。
色濃い「日本要素」
- こたつ
- ダルマ
- 柴犬
などなど、日本的な小物や要素が多く登場します。
キャラクターも日本の姓っぽい人も多いし、「日本要素」が濃いと感じました。
そもそも会社名が「スケバン」なので、日本のことがかなり好きな開発者なのかも。
不満点
ミニゲームが激ムズ
条件を満たすと、ジルの部屋でミニゲームを遊ぶことができます。
シューティングゲームなのですが、これが非常に難しかったです。
- 体力は3
- 被弾後の無敵時間はない
- 回復する手段もない
- 敵の攻撃は弾幕並
といった具合。
敵の出現パターンは固定ですが、クリアできる気がしませんでした。
ストーリークリアに必須ではありませんが、トロコン はできなくなります。
隠しカクテル
今作には、カタログには載っていない隠しカクテルが存在します。
隠しカクテルがあること自体は、遊び心があって特に問題ないのですが、作中ではそのレシピを知る術はありません。
問題は、隠しカクテルを特定のタイミングで作ることで、隠しキャラが登場すること。
隠しキャラとの会話も興味深くておもしろいですし、トロフィー の取得条件でもあります。
トロフィーの条件にしてしまうのは、意地悪く感じました。
ジュークボックス
今作のBGMは、とてもクオリティが高く何度でも聴きたくなる曲が多いです。
ただ、バーでジュークボックスを使って流すときは、ちょっとおっくう。
▼好きな時に変更できない
ジュークボックスをいじれる機会は、バーに出勤時と休憩後。
いつでもジュークボックスにアクセスして曲変更できる方が、使い勝手がよかったと思います。
▼毎回、チョイスした1曲目からスタートする
ジュークボックスは、たくさんある曲の中から12曲をチョイスします。
12曲を埋めないと、スタートしません。
当然ながら1曲目からスタート。
仕事中に12曲目まで流れれば、1曲目に戻ります。
ですが、大抵12曲目までいかずに仕事が終わります。
選んだ12曲は保持されているので、仕事を再開した時には、また1曲目から。
ジュークボックスに収録されている全ての曲を聴きたい、と思っても、前回どの曲が最後だったかもよくわかりません。
せめて、半分の6曲をループで流せた方が、選びやすかったです。
もしくは、仕事を再開した時は、途中で終わっていた曲の頭からまた流れるとよかったです。
「強制的に1曲目からにはならず、選んだ12曲をずっとループ。いつでもジュークボックスにアクセスできて、曲入れ替え可能」とかだと良かったです。
気になった点
性的表現
今作の CERO は、D(17才以上対象)。
区分は「犯罪」と「セクシャル」。
というか、ほぼセクシャル。
ですが、画面上には際どい格好のキャラやエロティックな映像が出るわけではありません。
とにかく会話のやりとりだけでセクシャル判定になったと思われます。
簡単に言うと、猥談(わいだん)。
バーで、お酒の入った大人たちが気軽に話すような感じの下ネタ話が繰り広げられます。
客の中には性的な仕事をしているキャラもいますし、その手の話は常にあると思ってください。
苦手な方は、ご注意を。
プレイ状況
ソフトウェア | パッケージ版 |
プレイ時間 | 約18時間 |
所持しているサウンドトラック | パッケージ版早期購入特典サウンドトラック |
トロフィー 状況(記事作成時現在) | 82% |
トロコン 難易度 | かなり難しい |
総評
斬新なシステム。
練られた設定と、魅力的なキャラクター。
レトロPCゲームを彷彿とさせるビジュアルですが、「ビジュアルノベルタイプのアドベンチャーの、新たな未来」
そんな印象を受けました。
レビュー
総合評価 | |
シナリオ | |
操作性 | |
システム | |
キャラクター | |
ビジュアル | |
音楽 |
-
コーヒートーク(COFFEE TALK) 感想・レビュー byとも / 種族を超えた愛情と友情を上質の音楽で味わう!
種族を超えた愛情と友情を感じられる、ちょっぴり大人なアドベンチャー。『コーヒートーク』の感想・レビューです。「夫からもちょっと言わせてくれ」では『ヴァルハラ』との違いについても言及します。