今回は、5pb.の科学ADVシリーズ『CHAOS;CHILD』のレビュー・感想です。
できるだけネタバレなしでいってみます。
様々な機種で発売されていますが、プレイしたのはVITA版。
VITA版はタッチ操作に対応していますが、基本的な部分はどの機種も変わりないかと。
ミステリー要素があるゲームで、CERO は「Z」。
かなりショッキングな描写もありますので、苦手な方はご注意を。
一部共通の用語や設定、人物が登場するようですが、未プレイでも問題なく楽しめました。
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目次
概要
ゲーム内容
2009年に渋谷で大地震が起き、その6年後が物語の舞台。
主人公・宮代拓留は自称「情報強者」。
新聞部の部長である彼は、渋谷で起きたある猟奇的な事件を追いながら、奇妙な運命に翻弄されていきます。
主なゲームシステム
イラストと音声で読み進めていくアドベンチャーゲームで、いわゆる「ビジュアルノベルゲーム」です。
- 膨大なセーブスロット
- 別枠で、自動的にクイックセーブされる
- 複数のエンディングルートと、トゥルーエンディング
- バックログやスキップ、強制スキップボタン
- 用語集
- キャラクター毎の音声のON/OFF
などなど、このタイプのゲームとしての基本的なシステムは完備されています。
妄想トリガー
今作の特徴的なシステムの1つ「妄想トリガー」。
物語中にいきなり差し込まれ、「今後の展開をポジティブかネガティブか」を選択。
「ポジティブ」の場合は、色気のある展開や平和な展開に。
「ネガティブ」の場合は、凄惨な展開や恐ろしい展開に。
あくまで「妄想」なので、本編のストーリー展開にほとんど変化はありません。
2週目以降は、この選択によってエンディングが分岐します。
1周目は、どのように選択してもノーマルエンドです。
マッピングトリガー
物語の随所で、新聞部のコルクボードに貼る写真や付箋を選択する場面があります。
これが「マッピングトリガー」。
とある章のマッピングトリガーは、連続して不正解するとバッドエンド。
ですが、基本的には間違えても問題ないシステムです。
ただし、トロフィー コンプするためには全問正解する必要があります。
良い点
妄想と現実を絡めた世界設定
今作の重要なキーとなる「妄想」。 そしてその「現実化」。
ネタバレになるので詳しくは書けませんが、とある現象・力に関するおもしろい解釈がなされていて、その設定がとても理にかなっていました。
その研究過程も、非常に「ありそう」な感じで、題材として好みです。
個性的なキャラクター
物語を彩るキャラクターたち。 『STEINS;GATE』ほど妙な方向に尖っているキャラは少なく、全体的に共感できます。
声優さんの演技も、とても良いです。
「妄想トリガー」によってはハチャメチャな展開にもなりますが、全力で演じてくれています。
ハマる展開・恐怖感
猟奇的な事件を追うことで生まれる緊張感。
主人公たちが遭遇する、とある現象。
初見での恐怖感はなかなかのもので、手に汗を握りながら読み進めました。
気になる展開が連続しますし、終盤はノンストップでプレイしました。
不満点
視点が複数
シーンによっては、主人公・宮代拓留以外の人物の視点で話が進みます。
誰でもない第三者、いわゆる「神の視点」が使われるシーンも。
これ、ミステリー要素のあるノベルゲームではあまり好ましくないです。
「トリック的にどうしても」って事でないのなら、あまり視点はバラけさせてほしくなかったです。
主人公以外の視点で語られると、その人物の心情がわかってしまうため「疑わしい人物」から外せてしまうんです。
また、「そのシーンが誰目線なのか」も定まらないため、読んでいると混乱しました。
妄想トリガーが話の流れを邪魔する
ちょいちょい挿入される「妄想トリガー」。
エンディング分岐に必要ですし(2週目以降は)、今作の世界設定的にも必要なシステムなのはわかりますが、正直言って邪魔でした。
それまでの話をぶった切るうえ、あまりにも突拍子のない妄想が多すぎで、無駄に長い。
妄想が終わったら、
となりがち。
・・・とはいえ、本編の展開がハードなので、「妄想トリガー」は箸休め的な意味合いがあるのかもしれません。
ディソードの場違い感
これまたネタバレが強いので詳しく書けないのですが、「ディソード」という武器が登場します。
これが、ちょっと世界設定に合わなくてファンタジー色が強いです。
「ギガロマニアックス同士は戦わねばならない」 という決まりでもあるのでしょうか? 本編で特に説明がなかったので、場違い感は強いです。
※「ギガロマニアックス」についてはネタバレのため詳しくは書きません。
ただし、デザインはかなり良いです。
ディソードデザインは、『ゼノブレイド2』でレアブレイドの「ミクマリ」「セオリ」を手掛けたCHOCO氏。
美しくて、禍々しい。
プレイ状況
ソフトウェア | ダウンロード版 |
プレイ時間 | 約45時間 |
シリーズのプレイ状況(みなと) | STEINS;GATE(VITA) STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん(VITA) |
トロフィー 状況 | 100% |
トロコン 難易度 | 簡単 |
総評
ネタバレを避けてレビューを書くのが、非常に困難な今作。
未プレイの人にどう説明していいのやら・・・。
CERO が「Z」なだけあり、かなりキツくてショッキングなシーンもあり、「これバッドエンドじゃん?」というエンディングもちらほら。
ただ、グイグイ引き込む謎とストーリーは魅力的ですし、それぞれのキャラクターがそれぞれの意思で動き、終盤回収される伏線も秀逸でした。
今作は「妄想科学ADV」。 読み手も妄想力をフル回転させ、物語の結末を予想してみてください。
レビュー
総合評価 | |
シナリオ | |
操作性 | |
システム | |
キャラクター | |
ビジュアル | |
音楽 |
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『カオスチャイルド』の、けっこうエッチなファンディスク、『カオスチャイルド らぶchuchu』。本編をしっかり遊んだ人ほど癒される、後日談ありの外伝的作品。ネタバレを極力抑えた感想・レビューです。