ゲームデザイナー・上田文人氏の手掛けたアクションアドベンチャーゲーム、『ICO(イコ)』。
2001年にPS2で発売され、コアなファンを獲得した。
2011年にはHDリマスター版がPS3で発売された。
主にグラフィック、音響が改良され、 トロフィー に対応した。
また、数少ない「 PS VITA でのリモートプレイが可能な、PS3のゲーム」である。
当ブログでは、上田文人氏がデザインした一連のゲーム、『ICO(イコ)』、『ワンダと巨像』、『人喰いの大鷲トリコ』を1つのシリーズとして扱います。
なお、PS2版は諸事情により、現在入手困難である。
詳しくは「GPL違反」で調べてみましょう。
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目次
概要
発売日 | PS2版:2001年12月6日 PS3版:2011年9月22日 |
発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント |
開発元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント |
ハード | プレイステーション2、プレイステーション3 |
ジャンル | アクション・アドベンチャー |
CERO | B(12才以上対象) |
公式サイト | ICO |
画像の出典 | 画像は全て上記サイトより引用 |
権利表記 | © 2001-2011 Sony Computer Entertainment Inc. |
ゲーム内容
生贄として古城に連れてこられた、角の生えた少年「イコ」。
囚われであったが、アクシデントで古城内を歩き回れる状態になる。
そこで出会った、檻の中の少女「ヨルダ」。
仕掛けを解き、彼女を檻から出すが、言葉が通じない。(ヨルダのセリフは特殊言語の字幕が出る)
しかし、お互いの目的は一致する。
二人で、古城から脱出をする。
良い点
この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから。
これは、今作のキャッチコピーである。
これほど、ゲーム内容を綺麗に言い表したキャッチコピーは、なかなかないと思う。
イコとヨルダは、お互いの力をとても必要としている関係である。
古城内のあらゆる仕掛けは、イコの身体能力がなければ解けないもの。
要所要所に設置された石像の扉は、ヨルダでなければ開けられない。
ヨルダをさらおうとする「影」の襲撃は、イコが撃退する。
ヨルダが「影」にさらわれ、完全に「影」に引き込まれたら、ゲームオーバー。
城の造りを知っているヨルダは、時折指さしでヒントをくれる。
プレイヤーが操作するのは、イコ。
R1ボタンを押すことでヨルダを呼び、彼女の近くでR1ボタンを押しっぱなしにすることで、手を繋ぐ。
安全な場所へ、仕掛けの場所へ、セーブするために石のソファへ、彼女をエスコートする必要がある。
手を離している時間が長いと、「影」がヨルダを襲う。
自然と、プレイヤーの心にも「騎士道精神」みたいなものが芽生えてくると思う。
「守らなきゃ」「離れていると不安」「彼女のために道を作ろう」そんな気持ちになってくる。
「言葉」ではなく、手と手の「繋がり」、心の「繋がり」を感じさせてくれるゲームだ。
手を繋ぐ瞬間、コントローラが少し震える。
このわずかな振動が、心の「繋がり」をより強く意識させる。
普段振動機能をOFFにしている方も、今作はONでのプレイを推奨する。
美しくも寂しい「霧の古城」
今作の舞台となる古城は、無人の城。
一応「城主」は存在するが、生活してるって感じではない。
仕掛けが盛り沢山の城内を探索し、景色や佇まいを眺めながらの謎解きは、とても浸れて良い気分。
謎解きの難度もほどよく、落ち着いて考えればちゃんと解ける作り。
慣れればショートカットだって可能。
ゲーム性がガラッと変わる2周目
今作は2周目にて解放される要素がユニークである。
- ヨルダのセリフに日本語字幕が出る
- 2Pでヨルダの操作が可能に
- 隠し武器が手に入る
- 少しだけ違う「もうひとつのエンディング」が見られる
など、ゲーム性を大きく変える2周目要素。
ヨルダのセリフの内容が気になる方は、ぜひ2周目をプレイしよう。
また新たな発見と感動がある。
不満点
執拗な「影」の襲撃
戦闘要素は、ゲームのメリハリをつけるためにも必要なものだとは思う。
が、今作の「影」たちはバリエーションも少なく、戦闘場面自体は多め。
無視することが可能な場面もあるが、基本的には片づけないとダメ。
別に経験値が入るわけではないし、一度全滅させたエリアでは、もう出現しないでほしい。
クリア後に、「影」が出ない古城を2人で散策できる「デートモード」でもあれば良かったなぁ。
終盤の長い旅
終盤とある事情により、エンディングまで「セーブ」ができなくなる。
セーブなしで、そこそこ長い道のりを進まなくてはならないため、非常にツライ。
攻略に失敗しても少し前からリスタートできるので、そこは安心なのだが。
「電源を切って後日あらためて」と言うわけにはいかない。
プレイ状況
ソフトウェア | パッケージ版 |
プレイ時間 | 不明。合わせて5周している。 |
所持しているサウンドトラック | ICO~霧の中の旋律~ |
シリーズのプレイ状況(みなと) ※記事作成時点 |
ワンダと巨像(PS2) |
トロフィー 状況 | 100% |
トロコン 難易度 | 普通 |
総評
良質な謎解き、美しい古城、感動的なラスト(エンディング曲も含めて)。
そして「手を繋ぐ」という素晴らしいアイデア。
今作はとても好きなゲームだ。
もう15年も前のゲームなんだなぁ・・・。
セリフも登場人物も最小限で、きちんと何もかも明示された物語ではないため、人によっては理解不能で消化不良になるかもしれない。
また、「雰囲気ゲー」であることは確かなので、そうしたゲームが苦手な方にはオススメしない。
ちなみに、作家の宮部みゆき氏が、今作の小説版を執筆している。
彼女が今作をプレイして感じたイメージを元に執筆をしているため、本来の設定から離れている部分もある。
これは、開発側が意図的に設定を明かさなかったため。
今作が、受け取り手によって様々な姿を見せる、良い例だと思う。
そのため、「ゲームと違う。私のICOじゃない。」と、この本に対して文句を言うのは筋違いである。
レビュー
総合評価 | |
シナリオ | |
操作性 | |
システム | |
キャラクター | |
ビジュアル | |
音楽 |
妻からもちょっと言わせてもらいます
確か、夫からの薦めでプレイした気がします。
謎解きは、わからないものもあり、夫に教えてもらいながら、プレイしていました。
美しい古城と陽の光。
影に怯えながらも、ヨルダと手を繋ぎ、ヨルダだけが支えになる。
・・・泣けますよ。
泣かせるゲームです。
曲もいいんですよ。
一番好きなのが、「ICO -You were there-」。
ウィーン少年合唱団の少年が歌っています。
美しいボーイ・ソプラノに、ゲームとリンクして、心を奪われます。
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人喰いの大鷲トリコ 感想・レビュー byみなと / 巨大生物を使った謎解きが秀逸な古城の旅
『ICO』や『ワンダ』の遺伝子をしっかり感じられる、雰囲気抜群のアドベンチャー『人喰いの大鷲トリコ』のレビューです。