DCコミックで刊行している『バットマン』のゲーム。
シリーズの一作目である『Batman: Arkham Asylum(バットマン アーカム・アサイラム)』は「今までで最も高い評価を得たスーパーヒーローゲーム」として、ギネスに登録されています。
今作は、その『Batman: Arkham Asylum(バットマン アーカム・アサイラム)』と、その続編『Batman: Arkham City(バットマン アーカム・シティ)』のシステムを踏襲したオープンワールドゲームです。
今作は『アーカム・シティ』の直接的な続編にあたり、『アサイラム』、『シティ』、そして『ナイト』の三部作で物語が終結します。
『アサイラム』と『シティ』に関しては、セットになったPS4版の『バットマン:リターン・トゥ・アーカム』が17年2月23日に発売されていますので、気になる方はこちらからプレイしても良いかと。
なお今シリーズは、原作『バットマン』のキャラクターと設定を使ったオリジナルストーリーで展開されます。
コミックスとも、映画とも話の繋がりはありません。
知らなくても、作中で丁寧な資料を読めるので問題はありませんよ!
それでは、感想・レビューいきます。
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目次
概要
ゲーム内容
シリーズ共通の戦闘システムは、複数の敵と格闘戦を繰り広げる「コンバット」。
銃火器を持った見張りを、静かにステルスで撃退する「プレデター」です。
さらに、今作で新たに加わったバットマンの専用車「バットモービル」。
この「バットモービル」を使った戦闘・謎解き・レース等が用意されています。
「バットモービル」、そしてバットマン自身の戦闘能力・探偵能力を駆使し「ゴッサム・シティ」をヴィラン(悪役)達から救うのが目的dmm.comです。
なお、今作は沢山の DLC が配信されています。
非常に濃い内容で、未だ攻略中のため、DLCに関しては日をあらためて記事にします。
■追記
今作のDLCをレビューしました。
→ Batman: Arkham Knight ダウンロードコンテンツ レビューbyみなと
これからプレイする方への注意点
「これからプレイをする」という方のために、少しだけ「見落としがちな要素」について触れておきます。
▼スライディング
作中で特に説明は無いが、走りながらR2で「スライディング」ができます。
コツはR2を短く押すこと。
通気口の蓋はこの「スライディング」だと一瞬で開きますが、音は鳴ります。
敵を転ばせたりもできます。
▼リモート・エレクトリカル・チャージ
警察署内の「証拠品保管庫」で、ガジェット「リモート・エレクトリカル・チャージ」が手に入ります。
ストーリー上では終盤まで必要のないガジェットですが、戦闘に役立つし、「リドラートロフィー」の獲得には必須。
署内に入れるようになったら直ぐに取った方が良いです。
ガラスは殴って割りましょう。
▼フリーズ・ブラスト
「Panessaスタジオ」という施設に入り、エレベーターを降り、左手にガジェット「フリーズ・ブラスト」があります。
ストーリー上で必要になる場面は無いため、最後まで見落としがち。
ですが、このガジェットも戦闘で強力な効果を発揮するし、「リドラートロフィー」の獲得に必須。
このガジェットがあると攻略が楽になる場面もあります。
「Panessaスタジオ」に入るのは中盤ですので、忘れずに入手しておきましょう。
▼音声・字幕
スタートメニューの「オーディオオプション」で、今作の音声や字幕の設定ができます。
日本語音声にもできるが、一部ダウンロードコンテンツは英語音声のみなので注意。
もし、この画面の「オリジナル版英語音声」の項目が変更できない場合は、今作のアップデートを実行するか、再起動すると設定できるようになるはずです。
良い点
舞台はついに「ゴッサム・シティ」に!
『バットマン』に登場する、人口数百万クラスの大都市「ゴッサム・シティ」。
今までのシリーズでは、刑務所内や、ゴッサムの一区画が舞台だったが、今作ではついにゴッサム全域に。(前作のエリアには行けない)
その広大さ、超高層ビル群の迫力は、「素晴らしい」の一言。
完全なオープンワールドゲームであり、移動の際にロードは発生しません。
屋内に入る際も画面の切り替わりはありません。
さらに細かいディティールにもこだわっており、海面や看板、小物に至るまで丁寧に作られています。
PS4のパワーを痛感しました。
ちなみに、ヴィランのテロ行為により、市民のほとんどは街から避難しています。
広くなったマップに伴い、バットマンの飛行能力もパワーアップしました。
何より「バットモービル」での高速移動もあり、ファストトラベル(ワープ)機能こそありませんが、移動のストレスは少ないです。
でも、『シティ』プレイ中に海の向こうに見えるゴッサムの超高層ビル群を見て、「ありゃ無理そう」と諦めていましたが、実現するもんだ・・・。
パワーアップした「コンバット」「プレデター」
新たなバットスーツ・ガジェットの入手に伴い、戦闘能力・表現もパワーアップしました。
「コンバット」では、周辺のオブジェクトを利用した必殺技が追加。
発電機や、電灯、コンテナなどを使って敵を倒せるのだが、そのモーションもいちいちカッコいい。
「ズームして電灯をぶつけているだけ」なのに、カッコいい。
実現可能なシーンは限られますが、仲間と協力して闘う「デュアルプレイ」が追加。
その際は、L1ボタンで操作を切り替えながら戦えるし、協力して敵を仕留める「デュアル・チーム・テイクダウン」が可能に。
これもかなりカッコいい。
『アーカム・ビギンズ』で大活躍した「ショック・グローブ」は廃止。残念・・・。
「プレデター」では、かたまった敵集団を一瞬で仕留める「フィアー・マルチ・テイクダウン」が追加。
新ガジェット「ボイス・シンセサイザー」を使って敵兵を騙し、有利な位置に誘導したりもできます。
万能なバットモービル
今作で追加された新要素「バットモービル」は、新要素とは思えないくらい完成度が高いです。
高速走行はもちろん、L2押しっぱなしで戦車形態に変形し、敵戦車(主にドローン)と戦うことも可能。
パワーウインチを使って物を引っ張ったり、電力を送ったりと、仕掛けを解くのにも活躍します。
道路にいればL1ボタン一発で簡単に呼び出すことができて、マリオカート並に頑丈。
遠隔操作もできます。
場所によっては、「バットモービルが進入できるように道を作り、バットモービルで一気に敵殲滅」といった攻略法も。
もう別のゲームのようです。
ジョーカーの扱い
ネタバレになるため詳しくは書けませんが、前作『アーカム・シティ』にて「今後どういう風に扱うのか難しい状態」になる、バットマンの宿敵ヴィラン・ジョーカー。
それが今作では見事なアイデアと表現手法によって、バットマンを苦しめることになります。
実に「ジョーカーらしく」、そして実に「バットマンらしい」新たな関係性は、今作の見どころの1つです。
濃厚なシナリオ 数多のヴィランとの因縁
ジョーカーにまつわる話も含め、今作のシナリオはとても濃厚。
メインストーリーに関わるヴィランたちはもちろん、過去作で登場したヴィラン達も数多く登場し、『アーカム』シリーズの集大成にふさわしい作品です。
「フォトモード」で自由な写真撮影
プレイ中はいつでも、optionボタンのメインメニューで「フォトモード」を起動できます。
- 今作のカッコいい戦闘シーン
- ドラマティックなイベントシーン
- 手に汗握るカーチェイス
どんなシーンでも一時停止できて、写真効果の変更もできて、場面によっては角度も変えて撮影が可能。
すばらしい!
不満点
しつこい「バットモービル」推し
「バットモービル」を使った戦闘や、走行、謎解きは完成度が高い。
高いのは良いんですが、あらゆる場面で「バットモービル」が活躍しすぎ。
数多くのイベントや収集要素が用意されている今作ですが、「またバットモービルか・・・」というくらい使用します。
しかもこの「バットモービル」の操作は、他の戦闘より一段階難度が高いのです。
ボス戦がつまらない
そもそも「ボス戦」といえるような戦闘が数えるほどしかないのですが・・・。
その数えるほどの「ボス戦」も、「バットモービル」を使った戦闘が幅をきかせています。
過去作で熱い戦いを繰り広げたボスも、今作では「バットモービル」での戦闘になってしまい、物足りない作りに。
反面、「デュアルプレイ」でのボス戦は超楽しかったです。
「真のエンディング」を見るための条件が厳しい
ゴッサムを襲うテロを解決すると、物語は一応終わります。
ですが、今作の「真のエンディング」、ひいては『アーカム』シリーズの「本当の終わり」を見るためには、条件があります。
全てのサイドミッションをクリアせねばならないのです。
ほとんどのサイドミッションは問題なくクリアできると思いますが、いくつか難しいのが。
▼爆弾解除大作戦 ▼道路を制圧せよ ▼ゴッサム占領
いずれもゴッサムを占拠している特殊軍に関連するミッションですが、数が多く、該当箇所を自力で見つける必要があります。
▼リドラーの復讐
毎度おなじみのリドラーのミッション。
各地に隠された「リドラートロフィー」の獲得。
これは現物として置いてあるものや、謎解きで獲得するもの、破壊可能なオブジェクトを破壊することで獲得するものなど、多種・243個にものぼります。
リドラーのアジトや、リドラーが設計したレースコースなどの攻略も必要で、大ボリューム。
暇なのかリドラー。
この一連のミッションだけでも、ゲーム一本分のボリュームはあるかと。
一つ一つの完成度は当然高いし、謎解きも非常に楽しいものですが、これを「真エンディング」の条件にするのは意地が悪いと感じました。
プレイ状況
ソフトウェア | パッケージ版 |
プレイ時間 | 58時間 |
購入した追加コンテンツ (無料のも含む) |
『家族の問題』 『ハーレークィンストーリー』 『レッドフードストーリー』 『ゴッサム市警封鎖』 『キャットウーマンの復讐』 『コイン投げ』 『シーズン・オブ・インファミー』 『2008 タンブラーバットモービルパック』 『2008年映画版バットマン スキン』 ※他、追加チャレンジやスキンなど |
シリーズのプレイ状況(みなと) ※記事作成時点 |
Batman: Arkham City(PS3) Batman: Arkham Origins(PS3) Batman: Arkham Origins BLACKGATE(PS VITA) |
トロフィー 状況 | 82% |
トロコン 難易度 | とても難しい |
総評
しつような「バットモービル」推しには辟易しますが、全体的な作りは妥協していなくて本当に物凄い。
これまでのシリーズの要素を、あらゆる面でパワーアップした今作。
「キャラゲー」としては文句なくトップクラスの完成度ですし、「アクションゲーム」としても傑作です。
これまでの様々な因縁を、しっかり解決させています。
『アーカム』シリーズの終結を、ぜひ体験しよう。
レビュー
総合評価 | |
シナリオ | |
操作性 | |
システム | |
キャラクター | |
ビジュアル | |
音楽 |