評価:4.5
2023年11月17日発売の、ペルソナシリーズ最新作『ペルソナ5 タクティカ(P5T)』をクリアしました!
クリアした感想を交えたレビューをしていきます。
主な良かった点
- 相変わらずハイセンス
- 頭を使って爽快バトル
主な不満点
- 導入がやや雑
- 全書を使用した合体について

ファーストレビューとして公開した記事を、追記編集して再公開します。
プレイしたのはSwitch版です。
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目次
概要
ゲーム内容
時系列的には、『ペルソナ5』本編終了直前・卒業式間近といったところ。
主人公たちの拠点であるルブランに仲間たちが集まっていると、謎の現象が起き異世界へ飛ばされる。
といった導入です。

本編のデリケートな部分には触れないストーリーにしてくれていますが、キャラクターとの関わり合いなどは本編をプレイしていたほうが理解できます。
ちなみに、『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』は未プレイで『ペルソナ5』オリジナル版がプレイ済みの場合でも、話はわかると思います。
タクティカルバトル
今作はシミュレーションRPGです。
バトルフィールド全体がマス目で区切られていて、相手の位置やオブジェクトなどを加味して位置取りをして攻撃をしかけます。

『真・女神転生 デビルサバイバー』とはかなり印象が違います。
味方パーティーは3人編成で、3人を自由に切り替えて移動させることができ、攻撃やスキルを使うと行動終了。
味方が全員行動終了したら、敵のターン。という流れです。
マス目で区切られてはいますが、移動はアナログなのでサクサク動きます。
▼バトルの基本
「遮蔽物に隠れて攻撃」が、バトルの基本になります。
遮蔽物には高さがあり、大きな遮蔽物に隠れていれば相手の銃撃をノーダメージにできます。
相手も同様に遮蔽物に隠れています(BLOCK状態)が、ペルソナのスキルを使ったり直接殴ることでBLOCK状態を解除できます。
BLOCK状態じゃない敵を攻撃することでダウンを取り、もう一度行動が可能な「1MORE」状態になります。

「弱点」の概念はなく、属性魔法には状態異常や位置変えの効果があります。
▼TRIBANGLE(総攻撃)
1MOREを取ると、総攻撃(トライバングル)のチャンスです。
- 味方3人の位置によってできる三角形の中に、ダウンした敵を入れる
- 誰も行動不能系の状態異常になっていない
- 1MOREを取った味方が発動
以上の条件で発動できます。
三角形の中に入っている敵全員に大ダメージを与えます。
ダウンを取った敵さえ三角形に入っていれば、他の敵はダウンしていなくてもOKです。

三角形に入ってさえいればいいので、敵や自分の高さが違っていても大丈夫です。
行動可能な味方は自由に位置取りができるので、切り替えながらベストな三角形を作りましょう。
▼バトルアワード
ストーリーに関わるバトルの多くは、それぞれ追加条件(アワード)が設定されています。
アワードをクリアして勝利すると、経験値やお金が増えます。

取り逃してもストーリーに影響はありません。
ですが拠点に戻れば、これまでのバトルを「RETRY」で再挑戦が可能です。
取っていないアワードはそこで狙ってもOKです。
「RETRY」は、キャラの育成やお金稼ぎにも使えます。
▼UNDO
今作では、バトルを「1ターン前の状態」に戻すことができます。
ポーズメニューから「UNDO」を使用すると戻せます。
あくまで「1ターン前の味方のターン」に戻す機能なので、「2ターン前」や「1行動前」には戻れないのでご注意ください。

アワード入手や、大きく判断を間違った時などに、戻せることを思い出してください。
育成要素
▼スキルツリーとグローポイント
今作ではキャラクターそれぞれにレベル設定がされていません。
そのかわり、パーティー全体に「怪盗団レベル」というものが設定されており、バトル勝利で育っていきます。
怪盗団レベルの上昇やクエストクリアなどで「GP(グローポイント)」が手に入ります。
そのGPを使って、各キャラに新スキルなどを覚えさせることができます。

GPは振り直しも自由なので、「次の戦闘ではマハブフに特化しよう」といったことも可能です。
▼ペルソナ
今作では主人公が自由にペルソナを付け替えることはできません。
その代わり「サブペルソナ」を、主人公を含め味方のペルソナ使いが全員使うことができます。
「固有のペルソナ」+「サブペルソナ」で、両方のペルソナのステータスやスキルが使えるようになります。

なお、それぞれのサブペルソナは経験値でレベルアップしステータスも強化されます。

全書からの召喚もできますし。

特殊合体でも事故るので、場合によってはロードし直した方が良いです。
良い点
相変わらずハイセンス
バトル演出や「革命」を意識したメニュー画面など、『ペルソナ』らしいハイセンスさは相変わらずです。
ころころカワイイグラフィックですが、表情や動きも丁寧で見応えがあります。
立ち絵もこだわっていて、一度しか使わなさそうな絵もたくさん出てきました。

頭を使って爽快バトル
- カバーして射撃
- ダウンを取ってワンモア
- 位置取りをして総攻撃
などなど、「『ペルソナ5』がシミュレーションRPGになったら、こうだよね」と言えるような理想的な戦闘システムだと感じました。

弱点じゃなきゃダウン取れないとなると、戦術的に複雑になり過ぎますし。
ほどよく頭も使いますし、うまく狙いが決まれば爽快で気持ちがイイです。
ちなみに難易度も変えられるので、自分に合った難しさで楽しめます。

「ちょっとよけてもらう」「反撃が危ないから一旦離れる」といった行動も気軽にできます。
キャラの掛け合いが良い
あくまで「本編プレイ済み」という前提ですが、各キャラの掛け合いはテンポも良く、とてもおもしろいです。
新キャラのエル、統志郎も個性的で好印象です。


ちなみに拠点でのトークイベントは、何度も見返すことができます。
初見の時に選ばなかった選択肢も選び放題ですし、それによって何かの好感度が変化したりもないので、安心です。
その他の良い点
- アワードの再挑戦ができる
- バックログやスキップがある
- 音楽やアニメーションも高クオリティ
- 武器生成でひとつひとつグラフィックが用意されている
不満点
導入がやや雑
おそらく「『ペルソナ5』のキャラでシミュレーションRPGを作りたい」というのが今作の根底にあるのだと思います。
だからなのか、その形に持っていくのにやや強引な導入になってしまっています。

スピンオフ作品なので正史ではないと思いますし、『ペルソナQ』シリーズも似たようなものですが。

「このキャラたちだから楽しい」と言えなくはないですが、完全新規キャラだけで『ペルソナ タクティカ』を作るわけにはいかなかったのでしょうか?
そうすると売れないのか・・・?
武器の分解
拠点のメニューで武器を買えますが、売るのはなぜかベルベットルーム。
名目上は「武器を分解」なので売っているわけではありませんが、分解して手に入るのはお金ですし、この仕様は謎。

全書を使用した合体について
特殊合体や武器生成では、ストックにいない素材はペルソナ全書から直接召喚して合体に使えます。
ですが、通常の合体ではストックからのみです。
せめて検索合体では、全書から直接素材にする選択肢がほしかったです。

できる作品もあるのに・・・。
また、武器生成の素材は全書を優先して使ってほしかったです。
ストックのペルソナを使ったら、呼び出し直さなくてはならないですし。
気になった点
クリア後要素について
本編クリア後、二周目に引き継げる要素は
- ペルソナ全書
- 合体解禁状況
- 所持金
- 装備品
- プレイ時間
- REPORT
です。
GPや怪盗団レベルが引き継げないので、スキル獲得は最初からです。

合体レベル制限もそのままなので、高レベルペルソナは作れません。
周回プレイを快適にする予定なら、クリア前に全書の充実やお金の確保、武器の生成などをすませておくと良いです。
プレイ状況
ソフトウェア | パッケージ版 |
プレイ時間 ※記事作成時点 |
約35時間 |
シリーズのプレイ状況(みなと) ※記事作成時点 |
ペルソナ2 罪(PSP) ペルソナ3 ポータブル(PSP) ペルソナ4(PS2) ペルソナ4 ザ・ゴールデン(PS VITA) ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス(3DS) ペルソナ4 ダンシング・オールナイト(PS VITA) ペルソナ5(PS4) ペルソナ5 ダンシング・スターナイト(PS VITA・PS4) ペルソナ3 ダンシング・ムーンナイト(PS4) ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス(3DS) ペルソナ5 スクランブル(Switch) ペルソナ5 ザ・ロイヤル(PS4) |
『ペルソナ5 タクティカ』の総合評価・レビュー
スピンオフ作品なのでどうしても本編プレイ済み推奨ですが、『P5』キャラが好きなら楽しめる作品になっていると感じました。
「弱点や属性」ではなく「位置取りや戦略」が重要なのは『ペルソナ』としては新鮮ですし、「1MORE」や「総攻撃」といった『ペルソナ』らしさもしっかり味わえる作品です。

泣ける場面もいくつかありました。
さすが『ペルソナ』ですね。
難易度は変えられますので、自分に合った難易度で楽しみましょう。
レビュー
総合評価 | |
シナリオ | |
操作性 | |
システム | |
キャラクター | |
ビジュアル | |
音楽 |